食べものの来た道をたどる
お茶わん一杯のごはんにも、田んぼの水、肥料、収穫や精米の機械、運ぶトラック、炊くための電気やガスが関わっています。肉や魚なら、えさや漁、冷蔵の工程も加わります。食べものは、土地と水とエネルギーの積み重ねです。
だからこそ、食べものを捨てると、その裏にある資源もいっしょに無駄になります。「いのちを食べる」という言葉には、その重さに気づこうという意味が込められています。
日本の食品ロスはどれくらい?
食品ロスとは、本来食べられるにもかかわらず捨てられている食品のことです。2019年には食品ロスの削減の推進に関する法律ができ、国民運動として削減が進められています(環境省)。
出典は環境省と農林水産省の令和6年度推計です(環境省)。前年度の2023年度は464万トンでした(消費者庁)。
家庭の食品ロス224万トンの内訳を見ると、手をつけないまま捨てた「直接廃棄」が96万トン、「食べ残し」が93万トン、野菜の皮を厚くむきすぎるなどの「過剰除去」が35万トンです。半分近くは、買ったのに食べなかったものなのです。
削減の目標はどこまで来た?
家庭から出る食品ロスには、2000年度の433万トンから2030年度までに半分の216万トンにするという目標があります。発生量の全体では、2000年度比で半分にするという当初の2030年度目標をすでに達成しました。今後は事業系を2000年度比で60%減らし、家庭系は2030年度を待たずに半減させることを目指しています。2024年度時点の削減率は事業系56.7%、家庭系48.3%です(環境省)。
お店や外食でもロスは出る
事業者から出る食品ロス237万トンのうち、食品製造業が110万トン、外食産業が70万トン、食品小売業が48万トン、食品卸売業が9万トンです。作りすぎや売れ残り、食べ残しが主な原因です。外食では食べきれる量を注文する、すぐ食べるものはお店の棚の手前から取るといった選び方も、ロスを減らす小さな一歩になります。
台所でできること
- 買い物の前に冷蔵庫をのぞいて、家にあるものを確かめる
- 食べきれる量だけ作り、残ったら次の日の献立に回す
- 皮や茎など、食べられる部分は料理に生かす
- 早めに食べたいものを冷蔵庫の手前に置く
「いただきます」を会話に
食卓で「これはどこで育ったんだろう」と話してみると、産地や季節に目が向きます。子どもと一緒に野菜の皮をむいたり、残った材料で一品作ったりするのも、食べかたを考えるきっかけになります。
台所の電気を昼に寄せる:自家消費という日本とオランダの共通の答え
食べものの来た道をたどると、最後は台所に着きます。冷蔵庫、炊飯器、食洗機、オーブン。家庭の電気のかなりの部分は、食べものを保存して調理するために使われています。屋根に太陽光パネルがある家では、その電気をいつ使うかで電気代が変わります。
日本では、住宅用の固定価格での買取期間(10年)を終えた卒FITの家庭に、昼の電気を自分で使う自家消費という選択肢が示されています(資源エネルギー庁)。オランダでは2027年1月1日に saldering が終わると、自分で作ってすぐ使った電気には税金も電力会社の費用もかからない一方、売った電気は terugleververgoeding という低めの単価になります(Rijksoverheid)。だから台所の家事を昼に回すことが、そのまま節約になります。
- 食洗機は夕食後ではなく、翌日の昼に回す
- 作り置きや下ごしらえを、日の高い時間にまとめる
- 冷凍庫は詰めすぎず、開け閉めの回数を減らす
- 電気の契約を選ぶときは、売電の単価と terugleverkosten も比べる
オランダで電力契約を見直す「energie vergelijken 2027」でも、自家消費の量が比較の出発点です。
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