なんで美緒は東京に戻ってきたの?

東京には戻ってこないつもりで荷造りした。気が付いたらまた東京にいた。もうスパイラルに包囲されてる!

2019.01.31 松岡 美緒

松岡 美緒

生い立ちを少し

出身、現住所、共に東京。生まれてから、ずっと回り道して、またここに辿り着いた松岡美緒(Matsuoka Mio)です。

1992年生まれ。小学校を卒業するまでに5回の引っ越し。アメリカ、沖縄、石川、千葉と回って、そのあとは大学を卒業するまで東京にいたけど、沖縄の海でじゃぶじゃぶ遊んだこととか、石川県の山の中にある学校で毎日木登りしたことが今の自分に影響していると思う。

大学1年の夏休みにJVC(日本国際ボランティアセンター)のラオスの田舎町でインターンし、山の恵みで生きている村人と、その山を簡単に自分のものにしてしまう企業を目撃したことをきっかけに、日本や先進国の消費がどのように第三世界に影響しているのか、もっと知りたくなった。同時に、現地の人の家に滞在させてもらい、異文化に染まることに、深く惹かれた。

ラオスお別れの儀式。安全の旅路を祈ってくれる同僚たちとその家族。

とにかく人々の生活に入り込んでみたくて、インド・コソヴォ・マケドニア・マラウイ・南アフリカなど滞在する理由を見つけては、農村になるべく長く滞在させてもらった。外国人が一人もいない村、牛で渋滞する道路や身元を隠さないと攻撃されかねない緊張感のある田舎。どの地域も文化や自然に溢れていたけど、貧困、差別、教育の質、治安など社会問題も多かった。

インドの宗教的な祭りの日のご飯。葉っぱが縫われ、プレスされたお皿。

もっと農村開発やコミュニティの自立について学びたくて、イギリスの大学院で国際開発の勉強をした後、パキスタンはイスラマバードにあるNGOで仕事が決まり、移住。大学生のための平和構築プログラムを担当し、現地のスタッフと働いた。

様々な宗教の生徒が参加したリーダーシップのためのトレーニングキャンプの終わりに、何人かの生徒が「初めて違う宗教の人たちと、同じコップから水を飲んだ」と教えてくれた。皆インターネットのアクセスを持っているのに、コミュニティが違うだけでその溝が深いことを教えてくれた。飲んだ水はその溝が少し埋まった印だった。

パキスタンで一緒に働いていた同僚らとはビザの問題で会えなくなってしまった。

パキスタンにいた時、ずっと南アフリカで見たパーマカルチャーのことを考えていた。

小さな土地に色んな工夫を施し、全ての資源が循環する菜園が広がっていた。農家の人たちは、コミュニティと分け合える十分な食料をその小さな菜園で作っていた。加えて、地球を労わる方法で全てそれらが行われていたことに衝撃を受けた。農薬も肥料も買わなくていい。種を守り、地球に力を借りる生活。パキスタンや日本、その他の地域で見た、国際協力NGOの行っているプロジェクトに、いつも足りないと思っていたことだった。

今まで人々の暮らしを守る仕事を一緒にした人の中に、地球に暮らす方法を知っている人はいただろうか?もっと地球のこと、自分が地球のために何ができるのか知りたくなった。

帰国してから、オーガニックムーブメントが進むカリフォルニアにある農家で働いた。多くのメキシコ移民者も従事する大規模な有機農家。それから、月と星の動きに合わせて菜園を世話するバイオダイナミック農家。甘く熟したブラックベリーをつまみながら、作った土に誇りを持つ人たちと時間を過ごした。

ふんだんに美しいものが食卓に上ることが心の傷を癒した。

日本のパーマカルチャーも学びたくて、それを実践している千葉のある森に住むことにした。ガスも電気もない古民家に、火を焚きながらコウモリとしばらく一緒に住んでいた。五右衛門風呂も、羽釜でご飯も炊けるようになった。フクロウやタヌキと出会い、自然世界の入り口を教えてくれた。自分の生活がいかにシンプルで、同時に豊かなのか、美しい景色の中で何度も確認することができた。

来年使う種を保存する作業の様子

今、私のミッションは子どもと菜園を繋げること。私の場合、地球と自分を繋ぐとき、一番身近なものは“食べること”だった。食べることは1日3回、毎日繰り返す。“食べること”を新しいレンズを通して見つめる時、どんな世界が生まれるだろう。

多摩市立愛和小学校で行われる菜園授業

Spiral Clubを選ぶ理由

環境の話ができる友達が圧倒的に少ない。でも環境は私たちの暮らしに直結する話。私は、そんな当たり前の話を安心してできる人たちが傍にいることが素直に嬉しい。当たり前のコミュニケーションが、新しい暮らしを見つける糸口を与えてくれるだろう。オープンコミュニティという形態をもつSpiral Clubはコミュニケーションが生まれる場所だけでなく、きっかけを作り、人を後押しする機会を増やしてくれる場所になる。そんな期待を込めて。

ここ(Spiral Club)で何をするのか

Urban agricultureやurban permacultureなどの言葉があるけれど、森に住んでいた時の生きる術を都会で使うとどうなるのか、それを実践したことから出来上がったストーリーをここで発信する。都会における新しい選択肢について、一歩踏み出せるような淡いパステルカラーの物語はどうだろう。

食に関して言えば、2018年は種がとてもホットな話題だったが、種を守る行動はどのように広がっていくのか、特に在来種が守られてきた裏側の多かれ少なかれあるドラマについて種の守り人に取材していきたい。

このコミュニティのメンバーで、日本全国で起きている食のムーブメントを追ったり、メンバーが自分たちの食糧を作ることのできる場所を見つけたりすることも密かな野望。

「食」の物語を伝えたい人たちはたくさんいるけれど、私は「子どもたち」と一緒に考えたり、楽しんだり、美しさを追及したりしてみたい。なぜ今「食」なのか、なぜ今「環境」なのか、一番わかっているのは彼らかもしれない。

クリーンアップ活動を何人かのメンバーと。

以下はお手伝いさせていただいている菜園のお仕事関連。

Edible Schoolyard Japan(活動地:多摩市立愛和小学校、その他)

情報:  http://www.edibleschoolyard-japan.org/

Commune 2nd みどり荘屋上菜園
( パーマカルチャーランチ毎月第3水曜日12時~)

情報: http://tokyourbanpermaculture.blogspot.com/

  

–   350 Japan の特別映画の中でインタビューしていただきました。


都内のコミュニティガーデンでの撮影

*一緒に種について取材したい仲間募集中!興味がある人は是非連絡ください。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdDJVQJXYU2or744l5DYwpB8l1bmx8xxKOr7nTCElud4r8jlA/viewform

松岡 美緒

松岡 美緒

国際開発を学び、平和構築を目指したパキスタンのNGOに従事。世界中の農村に滞在するうちに、食や自然と繋がる教育に出会う。現在、ガーデン・ティーチャーとして、学校菜園(Edible Schoolyard)や都会の循環型菜園(Urban permaculture)を実践中。もっと詳しく

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