Hidden Impact – 隠れた影響-ってなに?

持続可能性について話すときにどんな観点で話す?普段とは違う観点で物事を見てみよう。

2019.05.25 Do(どぅー)

Do(どぅー)

彼女の名前はマレンテ

オランダ人で、8月まで日本に留学している。とっても素敵な子だ。

数ヶ月前、代々木公園であったアースデイで熱心に色々な人の話を聞く彼女の姿に惹かれ、声をかけることにした。

環境、気候変動についてよく知る彼女からたくさんのことを教えてもらった。彼女には、日本で留学している間に、日本の人にも環境問題について伝えたい、という小さな夢があった。この記事は、その小さな夢を叶えたワークショップの記録と彼女からのメッセージを伝える物語である。

オランダ行ったことある?

あなたはオランダに行ったことある?オランダと言えばみんな自転車に乗っているイメージ。私が大学時代に専攻していたプロダクトデザインにおいても、とっても有名だ。前回の記事で紹介した好きなデザイナーのDave Hakkensもオランダ人。一度行ってみたい国のうちの一つ。

オランダのもう一つの特徴は、海抜ゼロメートルの国だということ。

オランダの英語名「Netherlands」はオランダ語で「低い土地」という意味で、国の表面積のおよそ半分が海抜1メートル未満なんだって。だから海の洪水に備えて、こんな大きな 防災システム があって、他にも錠、水門、水路、橋、スロープ、ダム、防波堤などのあらゆる手段で国を洪水から守っている。そう、マレンテはこんなところからやってきた。(→詳しくはこちら

隠れた影響-Hidden Impact-とは?

マレンテは、東京で行ったワークショップで隠れた影響について話してくれた。目に見えない環境への影響を一緒に考えてみよう。

題材となっているのはBabette ProcelijnのHidden Impactという本(リンクから英語のPDFが購入可能なので興味があれば是非)。

隠れた影響というのは、生産するときのエネルギーや、使い終わった後、必要な土地の量など、普段見えないものの影響のことである。例えば、スーパーでトマトを見たときに、プラスチックの容器がどんなふうに環境に悪影響を及ぼすかはすぐに想像ができる。だけどそこからもう一歩踏み出して、その背景にある、生産時にかかった水や農薬の量、輸送時に出たCO2の量の影響についても考えようということだ。

隠れた影響-Hidden Impact-が大きいものはどれ?

いきなりですが、ここで問題。以下の日常生活で使うものの中で環境負荷の一番高いものはどれだと思いますか?

下のグラフはそのトップ10を環境負荷の高いもの順に並べたものである。CO2排出量、生産時など隠れたCO2の排出量、様々な汚染、必要な土地の量または森林伐採のダメージ、という観点から作成されたもの。環境負荷の高い順にぜひ並び替えてみてください。

正解発表

正解はご覧の通り。実は携帯などの”ものを購入する”ことが環境負荷が一番高い。この表は一般的なオランダ人の表だけど、先進国ではほとんど同じ表になる。

”ものを購入する”ことが一番環境負荷が高いって考えたことあった?

そう。輸送時や工場での生産時にかかる隠れた影響がとても大きい。もの一つ買うだけで環境負荷はとても大きいから、前回の記事でも書いたけど、いろんな要素を考えてものを買うって大事だよね。

例えば、あなたが目の前に持ってるそのスマートフォンPC、一体幾つの部品でできてると思う?どこで取れたなんていう素材?どこで組み立てられたの?どこでデザインされたの?どこで売られているの?

食べ物を買うときに考えること

二番目は牛さんなどのお肉。ベジタリアンとかビーガンの人の中には環境負荷を考えてという人も多いよ(私もその一人)。ベジタリアンについてはりさの記事、牛さんのげっぷとおならについては陸の記事も合わせて読んでね。

食べ物を買うときは以下の順番で考えてみて!

①どんな食べ物なのか。環境負荷は高くないか。

②食品ロスを減らすことはできないか?

③ローカルで、季節的にあったものなのか。

④オーガニックなものか。

⑤過剰にプラスチック包装されていないか。

普段、自分たちの身体に入れる食べ物だからこそ、改めて考え直してみるいいきっかけになるかも。

持続可能性神話 -Susutinable myths-とは?

持続可能性神話とはどういうことだろうか。あなたは持続可能性、サスティナビリティーって聞いて何を思い浮かべる?ゴミを分別してリサイクルすること?マイバックを持ち歩いて、ビニール袋をもらわないようにすること?

果たして、それだけが持続可能性なのだろうか。

例えば、リサイクル。

ゴミを分別することは大切だけど、実際にリサイクルされるプラスチックは全体の日本国内でリサイクルできている割合はわずか数%程度(プラスチックに関するスパイラルメンバー井関の記事はこちら)。さらにプラスチックといっても色々なタイプのプラスチックがあるし、汚れていたら結局洗わないといけないから、一緒に捨てたらなかなかリサイクルしにくい。だからリサイクル率が変わらない。むしろ、ゴミを減らす工夫が必要だ。

紙袋ビニール袋、どっちが環境に良いと思う?

紙袋がいいに決まってる。そう思った?

たしかに、ビニール袋は耐久性が強く、なかなか分解しにくいから海を汚している原因の1つだ。いや、ここまで読んでくれたあなたならきっと、もう一歩先を考えているはず。

そう。隠れた影響はどう?

紙袋だって、木を切ってできている。もしかしたら森林が伐採されてできた紙かもしれない。それに、紙袋の方が生産時に出るCO2の量は多いし、すぐに破れてしまう。そういった点ではビニール袋は耐久性があり、繰り返し使える。ゴミ袋などにはとっておきだ。以上の点から、ビニール袋を何度も繰り返し使えば、”環境に良い”ということになる。何事も1つの面だけから見るのではなく、いろんな視点から物事を見つめることが大切だ。(さらに詳しく読みたいという方はこちら)

例えばリンゴを一つとっても考えてみるべきことはたくさんある。左は国内で採れたりんご。右はニュージーランド産の輸入されてきた見た目が完璧なりんご。どちらを選ぶだろうか。国内で採れたりんごの方がいい。日本では北から南まで様々な作物が採れる。こんなに食べ物に多様性のある国もなかなか珍しい。

あなたも国産のローカルな食材を探してみては?(半径2キロメートルで採れたものが最高。)

話は変わってお肉について。左は環境に優しいと話題の大豆ミート、右もオーガニックで広大な土地で育てられた牛さんのミートボール。広い土地で育てられた方が牛には優しい。しかし、環境的の面を考えると広大な土地を使うために、大切な森が切られたりする可能性もある。どちらが正しいを考えるのは難しい。というのも、オーガニックと倫理性と環境というのもイコールで繋がるとは限らないからだ。

このように持続可能性について考えるときは色々な視点で考えることが必要だ。時にはクリティカルシンキング(批判的な考え方)で常識や物事を見つめなおす、周りの人と話すことも大切だ。

日常の中であなたが与えてる影響とは?

ここまでは私たちの生活が世界に与える影響を考えてきた。では、私たちが与えているこの隠れた影響を少しでも軽減するためにはどうすればいいのだろうか。Reduce減らす Improve改善する Change変える 、この3つの考え方が大切だ。

例えば、環境負荷の高いものに関して言えば、

買うものを減らしたり、本当に必要なものだけを買ったり、誰かに借りたり。

古着を買ったり、品質評価された商品を買ったり、リサイクル素材でできたものを買ったり。

友達に誕生日プレゼントを買う代わりに、手紙を書いたり、ケーキを焼いてあげたり、一緒に時間を過ごすだけでもいいのかもしれないね。

自分の行動を変えることであなたの生活と環境を良くすることができる。

私たちにできることは?

あなたの生活を見直して個人的に影響を与えているトップ3のものはなにか考えてみよう。そして、生活を改善するために自分の行動をデザインしてみよう。

でも、何かを禁止するのは楽しくない。むしろ自分で自分の行動を作り上げていくのだ。それが自分の行動をデザインするということ。何かをやめる以外にもたくさんできることがあるよ。

難しいなと思わなくていい。例えば、スパイラルメンバーのりりあんは飛行機に乗るので乗った分だけカーボンオフセットすることに決めた。(りりあんの記事はこちら)。マレンテは今年は飛行機に乗らないって決めて、日本からオランダに帰るのも、船と電車で日本での思い出を振り返りながら、時間をかけて旅を楽しむんだよ!いいよね!

この他にも私たちができることはたくさんある(スパイラルメンバーのイアンの記事にも色々個人でできることが書いてあるよ!)。そして、それはものを大切にするとか、時間をゆっくり楽しむとか、常識にとらわれないとか、そういうことが私たちの生活に必要なのかもしれない。

マレンテが勉強しているユトレヒト大学について

このワークショップはマレンテが勉強しているユトレヒト大学っていう大学で取り組まれてるもの。

環境学や自然科学など様々な分野で有名で、スパイラルメンバーのリサもユトレヒトにいるよ!

inform 知らせる involved 巻き込む empower 権限を与える という三つの軸があり、校内で育った植物がもらえたり、服のスワッピング(交換会)が行われたり、ゴミ拾いしながらマラソンをするスウェーデン発祥のスポーツをしたり、色々なイベントがあるみたい。(調べてる最中に大学のインスタグラムアカウントも見つけたよ。)

さらに、学生の書いた論文がユニークで、実現可能で、画期的なアイデアだったら、大学が全面的にサポートして実現する、なんてこともやってるみたい(もっと知りたい人はこちら)。

なんて素晴らしい大学なのだ…

興味があれば是非もっと調べてみて!

ここまで読んでくれてありがとう😊

みんなも自分の行動をデザインしてみてね!



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Do(どぅー)

Do(どぅー)

近藤弘規(Do どぅー)
1993年6月3日 大阪で生まれ、兵庫県西宮市で育つ。
中高はカトリックの男子校で学び、ボランティアと弓道に打ち込む。元から人とすぐにうちとける性格だった事もあり、ボランティアを通して広い世界を見ることの重要性に気づく。インダストリアルデザイナーという名前のかっこよさに惹かれ、大学ではデザインを学ぶ。イギリスのキングストン大学に一年の留学を通して、サスティナブルデザインに興味をもつ。人とものとライフサイクルと愛をテーマにスパイラルクラブに珍しい関西人としてスパイラルの関西進出を目論む。もっと詳しく

質問はこちらまでお寄せください スパイラルクラブに寄付する

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