Spiralに思いを馳せる町「徳島県海陽町」へ行ってみた

徳島で、都会では感じにくい「モノの循環(Spiral)」を感じたお話

2019.04.29 井関将人

井関将人

『海を漂うビニール袋』、あなたはこれを見て何を想像するだろうか?

石油由来の原料から成形し、

使用される店舗まで運搬し、

商品と共に消費者に渡り、

役割を終えてポイ捨てされ、

風に吹かれて川を流れ、

そして…

海へたどり着いた。

私の場合、そんな様々なヒト、モノ、そしてエネルギーが関わる壮大な旅路に思いを馳せています。

身の回りの大半のモノが今やそんな旅路の果てにあなたの元にあり、そしてその一生を終える旅に向けてあなたの元を出立するのです。

“モノを消費することに特化した都会の暮らしの中で、そのモノの「循環(Spiral)」を意識する人はどれだけいるのだろうか?”

2019年5月1日、令和の時代の始まりに、私はそんなことを考えながら、帰省ラッシュの明石海峡大橋を抜けて徳島県に渡りました。

目指すは、「循環(Spiral)」に思いを馳せる町、海陽町。

いざSpiralな世界へ出発進行!

 

海と山が近い町:徳島県海陽町

神戸から瀬戸内海を渡り四国へ、そこから車を走らせること2時間弱、
徳島県の最南端の海辺の町が海陽町です。

海陽町に入ってまず目に付くのが眼前に広がる海、そしてサーファー。

町の真ん中を通る海部川の河口付近「カイフポイント」は、チューブ状の波が発生する世界有数のサーフスポットだとか。

2020年の東京オリパラ大会(東京2020大会)の追加競技となったサーフィンですが、ここ海陽町にも若い世代のサーファーが集まってきています。

海陽町出身のフリーサーファー・永原レキさんがOPENした藍染スタジオ『inBetweenBlues』

そして海陽町の海のすぐ後ろには山があります。

海と山の距離がとても近く、それを海部川などいくつかの河川が結んでいます。サーファーも、時に川の方からパドリングして海まで出てくるそうです。

出典:asoview(https://www.asoview.com/base/136051/

一通り町内を巡った後、町の北に位置するキャンプ場へ。そこが今回の旅の目的地、「Bluefes Camp 2019 @ KAIYO」の会場です。


「循環(Spiral)」を考える人たちとの出会い

「Bluefes」は、徳島県が誇る美しい自然環境や伝統文化に共有する”Blue”をテーマに、サーフィンや阿波踊り、音楽や食など様々なローカルカルチャーを取り入れ、故郷の魅力を世界に発信するイベントで、2018年8月の徳島市内での開催から始動しました。今回はそのKAIYO(海陽)バージョン。

海に優しく海のように青い自然農法で栽培された藍の染料、
淡く優しい光で幻想的な空間を作り出す竹ランプ、
そして豊かな土地や海の味をそのままに伝える食材の数々、

会場には山と海の豊かな資源が一堂に揃い、海陽町の自然の豊かさが伝わってきます。

そんな資源から様々なプロダクトを生み出している海陽町のヒトもまた、人間としての感性が豊かな人々でした。

キャンプ場でのチェックインを済ませ、コテージへ荷物を置きに行ったあと、夜のステージ企画までは時間があったため、様々なワークショップが開催される交流棟へ。

まず目につくのが、入り口付近にズラっと並んだ、海のような青、青、青。

藍染体験ワークショップで染められたハンカチたち、これでも藍が「疲れている」色なんだとか

今回のお目当ての一つ、「藍染」のブースです。

藍葉から作った染料を使用する藍染文化は、世界各国、そして日本でも沖縄の琉球藍から北海道の伊達藍まで全国各地で親しまれてきました。また濃い藍色は“Japan Blue”と呼ばれ、東京2020大会のテーマカラーにもなっています。

しかし明治以降は「インディゴピュア」と呼ばれる化学染料が広まり、生産者が激減したそうな…

そんな中でも自然農法で藍葉を育て、化学染料を一切使わずに伝統の藍染を守り続けているのが、ここ海陽町の「海部藍」です。

ブースを運営する株式会社トータス・庄司さんは「自然農法で藍葉を栽培するのは手間暇がかかる。でも栽培や染色の際に化学物質を使えば、それが土地から川を伝って海に流れてしまう」と教えてくれました。
また天然の藍染衣には、抗菌・消臭・防虫・UVカット…などなど、様々な薬効が宿るそうです。

というわけで筆者も果敢に「藍染」に挑戦!藍染師の真っ青に染まった両手のひらに憧れた私の手も無事に藍色に…!!(お風呂に入ったらちゃんと落ちしました笑)

藍染体験を終え、交流棟の中に入ると窓辺には温かな灯に包まれたとても幻想的な空間が広がっていました。山の竹で作られた「竹ランプ」です。

夜のステージ企画でも竹ランプが幻想的な空間を演出していました

「(竹ランプ作成)ワークショップの最初には、海を漂うプラスチックゴミが山や陸側の生活から流れていることを説明してる」と竹の花・桧垣健さん。

金属やプラスチックなどと違い、地域の資源は廃棄されてもその土地に還ることができる。藍染も竹ランプも、自分が生み出したモノの一生に思いを馳せ、地域の中での「循環(Spiral)」を考えていました。

“Spiral”に思いを馳せること、それにはとても愛を感じました。
地域の土地、自然、そして人々への愛です。

極めつけは、海陽町の幸が詰まったこの豪勢なプレート↓

調理を担当する一人、Little Terra・西森さんは、海陽町の豊かな土地に惹かれ県外から移住した

 

Spiralな夜にカンパ〜イ!

夜には海陽町内や徳島県内から集まった様々な人、そして文化が織りなすステージ企画が始まり、BlueFesの会場はこの日最大の盛り上がりを見せました。

これまで紹介してきた人々に加え、県内出身のミュージシャン、伝統の阿波踊り、近隣の町から集まりブース出店する方々…海陽町は魅力的な土地が惹きつけて、人や文化も豊かな町でした

海陽町は豊かな資源に惹かれた人々が集い、コミュニティとしても豊かな場所でした。

夜のステージも終わり、寝静まるキャンプ場の真ん中に、煌々と明かりの灯るスポットが一箇所。今回のBlueFes@KAIYOの企画・運営に携わる方々が、全ての仕事を終え、お酒を片手に語らいあっていました。

“BlueFes”ビールを竹で飲む!というオツな一品

筆者もビールを片手に参戦!
ステージ出演していたミュージシャンの方々も集まり、ギターを弾きながら、飲めや歌えやのドンチャン騒ぎ♫笑

令和最初の夜は、地域の中で循環に思いを馳せる“Spiral”な人々と共に、とても楽しく、そしてとても温かに過ぎて行きました…(朝方3時まで)

大都会・東京で暮らしていると、毎日多くのモノ、そして多くのヒトを目にしています。

でもそのモノはどこから来て、

どういう風に作られて、

そしてどこへ行くのか…

そんなことを考える時間は少ないように思います。

同じく人に対しても、
今そこで自分の体スレっすれで横切ったおじさんおっちゃんは、

どこの出身で、

どんな仕事をして、

家庭ではどんなキャラクターで、

そして今この時どんなことを考えて私の目の前スレスレを横切ったのか?

あなたはそんなことに思いを馳せることがあるでしょうか?

ちなみに筆者は割とそんなことを妄想しながら、
登庁時間スレスレを狙って通勤の道を急いでいます(笑)。

“モノの背景に思いを馳せること、そしてヒトの背景に思いを馳せること、
そんなところからつながりを意識し、循環を感じることで行動が変わっていく。”

海陽町では、モノもヒトも心の距離が比較的近いために自然とそんな風に生きられているのかもしれません。

令和の時代にサステナブルな社会を迎えるために、
あなたも“Spiral”に思いを馳せてみませんか?

令和元年5月1日 まぜのおかオートキャンプ場の夜空の下にて

“BlueFes Camp 2019 @ KAIYO”のスタッフ・出演者の方々とのワンショット

井関将人

井関将人

東京生まれ東京ときどきハワイ育ち。自然は居場所、都会は戦う場所。環境NGOでの勤務を経て、現在は東京大会と持続可能性に関する若手のプラットホーム「SUSPON Youth」の代表を務め、「スポーツ・文化・環境」の3分野でSDGsを掛け合わせた事業を展開中。メガ・イベントを通して「サステナビリティ」を価値基準とする世代の創出を目指す。もっと詳しく

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