プラスチック・フリーWeek第一弾:最近話題の「プラごみ問題」って、ぶっちゃけどんなんよ?

「プラごみ問題」のすべて、教えちゃう♪

2019.04.29 井関将人

井関将人

みなさ〜ん、こんにちはー(こんばんわー)
「スパイラルブラック」こと、井関です!

今週金曜日(6/28)には『Spiral Conversation Vol.1: 「プラスチック・フリー」って可能なの?』が開催されます♪(イベント詳細はこちら、申込はこっち

こちらは皆さんに身近な環境問題について考え、周りの人と「対話」をする機会を作る「Spiral Conversation」企画の記念すべき第一弾です🌈🎊わー、パチパチ👏👏👏

当イベントでは、「プラスチック・フリー(脱プラ)」のテーマで、「なぜ自分たちの日常生活から取り組むことが大切なの?」、また「どうやって取り組むことができるの?」などの疑問について、Spiral Clubのメンバーや他の来場者との「対話」を通して、考えを深めていけるようなコンテンツを企画しています。

またゲストに、今年5月に出版された『プラスチック・フリー生活: 今すぐできる小さな革命』の翻訳者・服部雄一郎氏をお招きし、ゼロ・ウェイストアカデミーの理事長でもある、スパイラルメンバーのアキラとトークセッションしちゃいます!(普段徳島にいるアキラと会えるチャンス✨)

そして…

今日からイベントまでの期間を勝手に「プラスチック・フリーWeek!」と命名し、プラスチック問題の概要から日常でできる「脱プラスチック」の取組まで、色々発信していっちゃいますよー、ヒューヒュー😙♫

イベントまでの記事を全てチェックしちゃったスパイラルマニアなあなたは、当日にはすっかりプラスチック・マスターになってること間違いなし?!笑

今回はまず近年急にニュースを騒がせ始めた「プラごみ問題」の概要から!
それではいってみよー

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2017年12月に中国が廃プラスチックの輸入禁止を宣言してから、世界は瞬く間に「プラごみ問題」の渦に飲み込まれていきました。

今やストロー一本削減するのを争って、飲食店やコンビニがアピール合戦…

でも結局のところプラスチックって何が問題なんだろう?
私たちはプラスチックに関してどんなところに気をつけないといけないんだろう?

そんな「プラごみ問題のホントのところ」について、お伝えしたいと思います!

なんでプラスチック?世界で広がるムーブメント

世界は今や空前のプラスチック・ムーブメントで大賑わいです。

グローバル企業たちはこぞって「脱プラ」に向けたビジョンを発表し、
飲食店・小売店は自分たちの「脱プラ」に向けた取組みをやかましいくらいにPRし、
そして各国政府も各々の削減目標を競い合うように発表しています。

出典:環境省『プラスチックを取り巻く国内外の状況』(平成30年8月)

なんでこんなにも世界中が「プラスチック」にのぼせ上がっているんでしょうか?

その始まりは2年前にさかのぼります…

◆突然のチャイナショック!中国から始まる廃プラ輸入規制の波

2017年12月、人口14億人の超大国が世界を震撼させました。
世界のプラスチック廃棄物(廃プラ)の約半数を受け入れてきた中国が、廃プラの輸入規制を宣言したからです。

これまで中国へ輸出された廃プラの多くはリサイクルされ、中国で生産される様々な製品の資源として利用されてきました。しかしその際に、深刻な環境汚染が発生していたのです。

汚れている廃プラ(食べ残し、飲み残しが付着しているなど)は、リサイクルするために一度洗浄しなければなりません。洗浄には当然、手間もコストも掛かる訳で、安くで処理を請け負ってくれる中国あるいは東南アジア諸国に世界中の「汚れた廃プラ」が流入しています。

しかし、大量の廃プラを洗浄することで、環境汚染が発生し、国民の健康被害にもつながっている現状があります。

こんなゴミの山に埋もれていたら、それだけで健康を害しそうな気がします…

これまでは経済成長のため安く原材料を調達すべく、「汚れた廃プラ」も受け入れていましたが、成長を遂げた中国としては今後国民により良好な環境を提供したいと考えたようです。

中国の廃プラ輸入規制を受けて、タイやマレーシアなど同じく世界の廃プラを受け入れてきた東南アジア諸国も規制のに向けて動き始めています。そのため各国はごみの行き場を探して、世界をあちこち…(日本もエチオピアまで運んだとか!)

こいつはまさにチャイナショック!!

先に述べたとおり深刻な環境汚染をもたらすのは、主に「汚れた廃プラ」が原因です。そのため、今年5月には有害廃棄物の国境を越えた移動を制限するバーゼル条約が改正され、この「汚れた廃プラ」も規制対象となりました。
結果として、今後は国内で原則処理することとなります。

◆年間800万トン?!海の生き物たちを苦しめる「海洋プラスチックごみ」

「チャイナショック」によってごみの行き場が無くなったことは、国際社会を大きくプラスチックごみ削減へと動かしました。

またこの事件と並行して、プラスチックごみ問題の中で特に懸念されているのが、世界中の海を漂う「海洋プラスチックごみ」です。

海岸や海辺に放置された漁網は海の生き物たちを苦しめ、「ゴーストネット」と呼ばれている

漁網に絡まり溺死したり、鼻にストローが刺さった痛々しい姿のウミガメや海鳥の写真は、世界で話題となりました。

現在、世界では年間約3.96億トンのプラスチックが生産されていますが、そのうち約800万トンは海洋中へ流れ、海に住む生き物たちを苦しめているのです。

こうした事態を受け、昨年6月カナダで開催されたG7シャルルボア・サミットで、「海洋プラスチック憲章」が採択され、先進各国はか海洋プラスチックごみの流出をそ阻止するため決意を表明しました。(同憲章の仮和訳はこちら

そのポイントは…

可能な限りReduce、Reuse、Recycleの3Rを進めること、
既に海洋中に出てしまったごみを回収すること、
そしてそれらに役立つ技術開発を促進することです。

この時、日本とアメリカは同憲章に署名しませんでした。
それは、国内法がまだ整備されていないからだと説明しています。

そのため今月長野県で開催されたG20エネルギー・環境大臣会合へ向けて、同憲章の内容にも留意したプラスチックごみ削減へ向けた国内法の整備を進めていくこととなります。(これについては後ほど説明します!)

このように中国と海洋生物の二つの「ショック」が世界をつき動かし、プラスチック・ムーブメントは始まりました。

そもそもなんで「プラスチック」は問題なの?

これまで国際社会の動向を中心に世界のプラスチック・ムーブメントについてお伝えしましたが、そもそもプラスチックという素材は、環境に対してどんな影響を及ぼしているのでしょうか?

「プラスチックと環境」のあれこれについて解説しちゃいます♪

◆プラスチックは“石油由来”:製造時にCO2が出ちゃいます!

プラスチックは一般に、原油を加熱分解した際に得られるナフサを原料として製造されます。そのためプラスチックの生産時はCO2が排出されます。

出典:PETボトルリサイクル推進協会

そう!プラスチック利用の削減(脱プラ)やリサイクルは、温暖化対策にもつながるんですねー

◆使い捨てが大半?!素材の利用方法の問題

現在生産されているプラスチックの大半が、レジ袋やストローなどの「ワンウェイプラスチック」と呼ばれる使い捨てのプラスチックです。なんと世界のプラスチック製品の約36%、日本では約61%が使い捨てられているのです!

出典:WWFジャパン(https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/3776.html

原因の一つとして、「バージン材」と呼ばれるプラスチックの素材が非常に安いことがあります。

様々な種類があるプラスチック素材の中には、リサイクルにとても手間とコストが掛かるものもあり、結果として「使い捨てる」という消費スタイルに導かれているのです。

◆世界のプラスチックの1/4は適正に処理されない?!廃プラ管理の問題

先ほどもお伝えした通り、世界のプラスチック生産量は年間約3.96億トン。そのうち約3億トンが廃棄され、うち約1億トンは適正処理されず(ポイ捨て、不法投棄など)、さらにそのうち約800万トンが「海洋プラスチックごみ」になっていると推計されます。

これは1秒間にごみ収集車一台分のプラスチックごみが、海へと流れていることになるとか…

こんな感じでドシャ―っと海にぶっ込まれてると思うとおそろピ~
(ちなみに都内23区の収集車の積載量は概ね2トン前後)

◆一生海を漂い続ける?!なかなか溶解されないプラスチック

海へと流れていっても溶けて無くなっちゃえばいいじゃん!と思ったあなた!
そう簡単にはいきません。

素材の種類によって様々ですが、プラスチックは自然分解されることなく環境中に残ります。
長くてなんと600年!しかも海の生き物を苦しめている釣り糸や、漁網といったものがそれにあたるんですね~(ムムム…)

出典:WWFジャパン(https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/3776.html

◆「マイクロプラスチック」というやっかい者

こうして溶解されることなく環境中を漂うプラスチックは、波や紫外線の影響を受け、やがて5mm以下のサイズにまで分解されていきます。これを「マイクロプラスチック」と呼びます。
日々みなさんが使用している歯磨き粉や洗顔料といったスクラブ剤も「マイクロビーズ」といって、同じく細かなプラスチックの粒子です。

こいつがとてもやっかい者!

なぜかというと、プラスチックはとても吸着性が強く(タッパーに油汚れ付くと落ちにくいよね~、あの感じ)、環境中を漂ううちに様々な物質を吸着させていきます。その中には人体にも有害な汚染物質も含まれるのです。

そしてこの小さな「マイクロプラスチック」は、例えば魚だったり、貝だったりといった生き物の体内に蓄積して濃縮され、それを人が食べてしまえば知らない間に健康が害されることに…(こういった「生物濃縮」についてなかなか分かっていなかったのですが、最近こんな研究結果も発表されたよ)

日本近海の密度もかなり高いですね…
(出典:環境省『プラスチックを取り巻く国内外の状況』(平成30年8月))


ほいじゃどうしたらいいのさ?!「プラスチックごみ問題」の解決方法

価格が安くて、様々な形に成形もしやすいプラスチック。
それだけに私たちの生活に様々な用途で存在していますが、便利な分問題も多いということをご紹介してきました。

それじゃいったいどうしたらいいのさ?!

冒頭でもお伝えした通り、「海洋プラスチック憲章」への署名を見送った日本は、国内法の整備へ向けて政府としてのプラスチック対策戦略プラスチック資源循環戦略を策定し始めました。

その中では、対策をするにあたっての基本原則、対策方法の列挙、そして終わりには日本が目指す具体的な数値目標が記載されています。

この基本原則の中では、「回避可能なプラスチックの使用を合理化し、無駄に使われる資源を徹底的に減ら」し(Reduce)、「プラスチック製容器包装・製品の原料を再生材や再生可能資源(紙、バイオマスプラスチック等)に適切に切り替えた上で」、「できる限り長期間、プラスチック製品を使用」する(Reuse)。そして、それでも発生してしまう廃プラについてはリサイクルを徹底していくとあります。

つまり、プラスチックごみ対策の優先順位は、

「Reduce(削減:脱プラ)>Reuse(再利用)>Recycle(再資源化)」

の順番となるのです。

なぜこの「脱プラ(削減)」が最も重要なのでしょうか?

◆「リサイクル」って万能?

解決方法としてよく耳にするのは、おそらく「リサイクル」でしょう。

廃プラの回収率が比較的高い日本では、特に技術開発も盛んで、「日本のリサイクル率はEUを上回る、リサイクルの先進国だ」という声も聞かれます。

日本の廃プラの有効利用率(リサイクル率)は約86%と、欧州の31%に比べてはるかに高い数値となっていることが主な理由です。

しかし一口にリサイクルといっても、様々な方法があります。

(一社)プラスチック循環利用協会の情報を元に筆者作成

①マテリアルリサイクル

いわるゆる「リサイクル」といってみなさんが思い浮かべるのがこの方法。廃プラを資源として、新しいプラスチック製品を作る方法です。
代表的な方法である「マテリアルリサイクル」の割合を見ると、日本は23%となっています。実は欧州が「リサイクル」と計上するのはこの「マテリアルリサイクル」だけ。
つまり「マテリアルリサイクル」だけを見れば、欧州の31%に比べ日本のリサイクル率は低いことになります。

②ケミカルリサイクル

「ケミカルリサイクル」は化学反応により組成変換した後にリサイクルする方法です。例えばプラスチックを溶かして油にします。
「マテリアルリサイクル」は新品のプラスチックと同等の品質には戻りません(「ダウンサイクル」って言います)。しかし「ケミカルリサイクル」は、例えば使用済みのペットボトルから、新品同様のペットボトルを生み出すことが可能です(「B to B(ボトル to ボトル)」と呼ばれたりします)。

③熱回収(サーマルリサイクル)

上の図でやたらと面積とってのさばっているのが「熱回収(サーマルリサイクル)」です。
これは廃プラを焼却場で燃焼した際に発生するエネルギーを利用する方法です。
この「熱回収」は、欧州では「サーマルリカバリー」などと呼ばれ、リサイクルの方法として考えられないことが多いようです。
理由は各国の事情に沿って様々かと思いますが…
「サーマルリサイクル」は、廃プラを燃焼するため、その際にはCO2を発生させます。また燃焼してエネルギー利用してしまうため、プラスチック製品の需要に対してはまた新たなプラスチックを生み出す必要があります(その際にもCO2が発生)。
日本では廃プラ処理の58%を占めていますが、気候変動など他の環境問題との関係や、資源効率性を考えると、「最善の策」とまでは言えないようです。

日本の「マテリアルリサイクル」の中には、冒頭でお伝えした中国への輸出分も含まれます。それが年間150万トン程度あるため、日本国内でリサイクルできている割合はわずか数%程度となってしまうのです。

リサイクルの王道「マテリアルリサイクル」も万能とは言えません。
プラスチック素材の中には、違う種類のプラスチックを混ぜたものなどリサイクルしにくいものがあります。また何度もリサイクルしていると、素材自体の質も落ちてしまいます(ダウンサイクル)。

これらのプラスチックもリサイクルが不可能ではないのですが、技術的にも高度で、コストが非常に高くなります。そのためバージン材などプラスチックの原材料が安い中では、費用対効果がないのです。

今のプラスチック使用量のままで、すべての廃プラ処理をリサイクルに委ねるというのは、気候変動など他の環境問題や経済とぶつかり合い、あまり理想的な解決方法ではないようです。

そのため、「プラスチック資源循環戦略」の基本原則にもあるように、まずは「脱プラ」にチャレンジすることが大切なのです。

生活の中で楽しく脱プラ♪それが「プラスチック・フリー生活」

これまで世界のプラスチック・ムーブメントの背景、プラスチックの問題点、そして対策方法についてお伝えしてきました。(長いことお付き合い有難うございやしたっ!)

日本はプラスチックごみに対する戦略を策定し、今月になってやっと「レジ袋の有料義務化」を発表しましたばかりです。

年間約4億トンものプラスチックが生産される現状で、
リサイクルできるものはまだまだ少なく、
また「マイクロプラスチック」や気候変動対策との関係性などプラスチックの存在自体に付いて回る懸念もある。

そんな中で大切なことは、まずは可能な限り「脱プラ」してみること。

皆さんの生活の中でも、ぜひそんな「脱プラ」について考えてみてはいかがでしょうか?
きっとこれまでのライフスタイルとは違ったものになりますが、それは案外楽しいものかもしれませんよ♪

例えばスパイラルメンバーが「ゼロウェイスト的ピクニック」の方法を伝授しています♪

今月28日の「Spiral Conversation」では、「脱プラ」生活を送る服部氏も交えて、世界を楽しく救うために、私たちの生活の中でできることを一緒に考えていきましょう!

「プラスチック・フリーWeek」はこれからも続くよー
今後もお楽しみに~♫

井関将人

井関将人

東京生まれ東京ときどきハワイ育ち。自然は居場所、都会は戦う場所。環境NGOでの勤務を経て、現在は東京大会と持続可能性に関する若手のプラットホーム「SUSPON Youth」の代表を務め、「スポーツ・文化・環境」の3分野でSDGsを掛け合わせた事業を展開中。メガ・イベントを通して「サステナビリティ」を価値基準とする世代の創出を目指す。もっと詳しく

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