メダカの学校、守るには?

小さな命を助けるために、僕は何をするべきなのだろうか。

2019.06.11 滝田 貢大

滝田 貢大

こんにちは、滝田です。

自己紹介じゃない記事はこれが初めて。好きなこと書いてって言ってもらえたので、僕はやっぱり魚について書いていきます。

皆さんは小学生の時、教室で何か水生生物を飼いませんでしたか?

金魚やザリガニあたりがオーソドックスで、中にはうなぎを飼っていた教室なんて所もあったみたい。うなぎを一日中眺めてられるなんて羨ましい。

この子たちよりも、きっと皆さんに馴染みがあるのは、メダカなんじゃないかなって思います。

僕もその中の一人。水草でちゃんと環境を整えてあげれば、すくすく育って、産卵もしてくれる子たちです。

メダカの学校って童謡もあるくらい、日本人には馴染み深い魚です。

でも、実はメダカたちは、絶滅危惧種なんです。

↑こんな光景は、もう見られない…?*

・メダカの学校はどこへ?

メダカが絶滅危惧種となってしまっていることは、一昔前に話題になったので、知っている方もいらっしゃるかと思います。

絶滅が危惧されているのは、田んぼや小川などの自然に生息している野生の種です。

だったら数を増やすために「市場で売っているメダカを増やしたりして、自然に放流したら良いんじゃないの? 」と思うかもしれません。

でも、それは「遺伝子汚染」と呼ばれるやっかいな事態を引き起こします。

・「交雑」によって起きてしまうこと

「遺伝子汚染」という言葉は少し、過激に聞こえてしまうかもしれません。ただ、ここでの汚染とは、汚れてしまうと言うよりも、他の遺伝子に染まってしまう、という意味合いが強いです。

ここでは敢えて、環境破壊の意味も含めた「遺伝子汚染」という呼称を使いますが、より中立的な呼び方として「遺伝子移入」と言われることもあります。

「遺伝子汚染」というのは、人間の手によって生物たちが、通常は起こり得ない交雑(異なる種が交配して、雑種を生み出すこと)をしてしまい、元から生息していた在来種が失われてしまうことを言います。

「交雑してしまうことの何が悪いの?」

「自然界においても、交雑は行われていくものでしょ?」

「減ってしまった種が増えるのならば、結果として良いことでは?」

と思われる方もいらっしゃると思います。

でも、僕は多様な生態系を守る上で問題があると考えています。

このことを、メダカを例にして説明します。

↑↑がキタノメダカ*で↑がミナミメダカ*。実は別の種類。

日本に生息しているメダカは、大きく分けてキタノメダカとミナミメダカという二種類に大別されます。
もしも、メダカが減ったからと言って、ミナミメダカの生息域にキタノメダカを放流したら、交雑が起きてしまいます。
そうして交雑が起きた場合、その生息域では、ミナミメダカの特有の遺伝子や特徴が失われてしまうかもしれません。

また、品種改良によって生まれた、観賞用のメダカなどを放流したらどうなるのでしょうか。
この場合も、同じようにその生息域で在来していたメダカが失われてしまうだけではなく、観賞のために鮮やかな見た目にされたメダカは外敵から狙われやすくなってしまい、結果としてその遺伝子を受け継いだメダカたちは生存することが難しくなってしまいます。

↑観賞用のヒメダカ*。とても綺麗だが、自然界では目立ってしまう。

さらに、同種のメダカどうしだったとしても、生息域か異なれば、長年の進化の過程で、環境に順応した遺伝子が失われてしまう可能性があります。

例えば、A川に生息しているミナミメダカを、B川に放流するとします。一見同種なので問題が無いように見えますが、実はA川のメダカがB川のメダカよりも寒さに強かった種でした。
この寒さに強い、という特徴が生息域の異なるもの同士の交配によって、環境に適応した遺伝子が失われてしまい、A川のメダカは生き残ることが出来なくなってしまうかもしれないのです。

大きく僕が考える問題は以上です。

上記のことは、あくまでも全て可能性です。

でも、起きてしまうと、様々な生物たちに影響があります。
そして、その影響は、戻ることが出来ない変化となってしまいます。

僕たちは、宇宙上全ての生物たちを全て把握し、管理することはできません。

変化なんて、些細なことのように思えるかもしれません。
でも、その些細な変化が原因で、自然の中に大きな問題が生まれてしまうことだってありえます。

起きてしまえば、どうすることもできない。

そんな問題は、起こさないことが大切だと、僕は思います。

だからこそ、数が減ったからといって、簡単に人の手で増やして、その子たちを放す。

この方法ではない、もっと良い方法が僕はあると思います。

・僕たちがすべきことは?

僕はまず、生息環境を整えてあげること、そしてその後はひたすら見守ることが大切なんじゃ無いかって思います。

数が減ってしまった生息域では、まずどんな場所がまだ残ってくれているのかを調べます。

その結果、もしも水草が足りないと分かれば、水底に水草が生えるような環境にしてあげる。
もしも河川の改良で水の流れが早すぎるなら、魚が逃げることができるような、ゆったりとした場所を作ってあげる。

こんな風に、安易に別の場所から持ってきた個体を移入するのではなく、ゆっくりと生息数が増えていく様子を見守ってあげることが大切です。

↑コンクリートで固められた用水路も多くある……

人間が原因となって、生物が生きづらい世界を作ってしまっていることが多くあります。

だからと言って、安易に生息数を増やそうとして放流するのは生き物の世界を歪めることなんじゃないか、知らず識らずのうちに自然の理に背いてしまっているのでは無いか、なんて考えてしまいます。

ただ余りにも数が減りすぎてしまっている時や、その場所で絶滅してしまった種類を復活させる時に、人の手で放流することが悪なのか?

その場所に生息している魚の卵を人の手で孵化して、大きくなってから放すのは悪いのか? などなど……

議論の余地はたくさんあると思います。

僕はまだ、はっきりとした答えを持ち合わせていないです。

だからこそ大好きな魚たちのことを考え、本当に必要なことだけをお手伝いしたいです。

そのために、これからも大好きな魚たちの世界を見つめ、ゆっくりと答えを探してみたいと思います。

皆さんも、自分の愛する生き物たちのこと、一緒に考えてみませんか?

*魚の画像はwikipediaより引用。

滝田 貢大

滝田 貢大

1997年1月生まれ。岐阜生まれ広島育ち東京在住。2019年秋から名古屋へ転居予定。現在は新社会人として日々格闘中。
幼少期からひたすら釣りをして過ごす。そして今も休みがあれば釣りをしている。自然に感謝し、その日食べる分だけを持って帰るのがポリシー。
水辺が大好きで、そこから自然や環境に興味を持ち、大学では杉の間伐材問題や、鹿の害獣問題などを勉強。
一番好きな魚は婚姻色のオイカワ(オス)。もっと詳しく

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