リーダーではなく、『最初の協力者』がムーブメントを大きくする:変化を起こしたい人達が知っておくべきこと

地球を再生するアプリweMORIを支える「最初の協力者」たちから話を聞いてみました。

2020.05.22 田村 聡

田村 聡

15歳の女の子が始めた若者たちによる環境運動「Friday For Future」や、アフリカ系アメリカ人への不当な扱いに対しての市民運動「Black Lives Matter」など世界中では今、意味のある行動を求めてムーブメントが巻き起こっています。

皆さんの中にも大小あれど「もっとこうなったら良いな」「こういった所を直したいんだ」といった想いがあり、何かを変えていくムーブメントを起こしたいと考えている人がいるのではないでしょうか。

もしあなたがそんな素晴らしい考えを持った人なのであれば、次の質問を考えてみてください。

あなたのムーブメントには、あなたの想いに賛同し、周囲にバカにされるリスクを顧みずに全力で力を貸してくれる「最初の協力者」はいますか?

社会運動、スタートアップ企業、はたまたお祭りといったイベントごとなど、種類に限らず大きなムーブメントの裏には必ず「最初の協力者」の力があります。

この記事では、Spiral Clubの発起人清水イアンが始めた地球を再生する森林アクションプラットフォーム・アプリweMORIの「最初の協力者」たちへのインタビューを通じて、どうすれば人々の協力を得ることができるのかを探っていきたいと思います。

<weMORIとは>
急速に失われつつある地球の森林環境の再生を実現するため、日本発/国際スタートアップNPOとして立ち上がった森林アクションプラットフォーム・アプリ。2020年7月7日よりクラウドファンディングを始め、谷川俊太郎さんやラブリさんといった著名人たちの協力も得て、開始初日で1st目標金額達成。7月16日現在、270万円が集まり、まだまだストレッチした目標金額に向けて支援が集まり続けています。

weMORI HP:https://www.wemori.org/
weMORIのクラウドファンディング(2020年8月8日 (土)締):https://www.kickstarter.com/projects/1065560538/wemori-an-app-to-regenerate-the-earth-0

前論:ムーブメントを大きくするのは「上半身裸で踊り始めるバカ」ではなく「釣られて踊るアホ」

今にもweMORIという大きなムーブメントを起こそうとしている清水イアンを見て、私の頭にまっさきに浮かんだのが、この上半身裸で踊り狂う男性の動画でした。

これは起業家デレック・シヴァースのTEDスピーチで、「いかにムーブメントが起きるのか」を上半身裸で踊り狂う男性の動画を使って説明しているものです。

動画内では、一人の上半身裸の男性が人が集まった丘の上で狂ったように踊り始めます。周りの人は冷めた目で男性を見ていたのですが、徐々に一緒に踊る人が増えていきます。踊る人の数がかなり増えてくると、周囲の人の評価は変わり、我先にと踊りに加わるようになるのです。

ムーブメントを起こすのにリーダーは必須だが、同じように、リーダーの次に行動を起こす「最初の協力者」が重要なことをデレックはこの動画で説明しています。

上半身裸のダンサーは、驚くほど清水イアンに似ています (どこがって?類まれなるダンシングセンスと、人前で半裸になるガッツさ)

今にも大きなムーブメントになろうとしているweMORIのカギを握っているのは、金銭的見返りや目標を達成できるか不確実な中、清水イアンの想いに賛同した「最初の協力者たち」で間違いないでしょう。

この記事では普段あまり注目されない、でももしかしたら本当はリーダーよりもムーブメントの拡大には重要かもしれない「最初の協力者たち」にスポットライトを当てています。

なぜ彼女/彼らはweMORIで、清水イアンと一緒に踊り狂うことに決めたのでしょうか。weMORIに参加した理由と、彼女/彼らにとってのweMORIを聞いてみました。

話を聞いた4人のweMORIの「最初の協力者」たち

①:横にいた男、伊藤聡士(SUPPIE)

「森が家や駐車場に変わっていく。誰も虫のことを気にしないのが自分には衝撃的だった」

②:グラフィックデザイナー平山みな美さん

「持続可能型を超えて、再生型社会を目指している点が単純に良いなって思った。」

②:My Planet My Planet 荒井ジョアンナさん

「イアンほど環境にコミットしている人に会ったことがなかった。」

④:インプロビジュアルアーティスト根津 理恵子

「指先で植林に繋がっていく手軽さが人の生活の中にどうやって溶け込んでいくのか気になった」

①:横にいた男、伊藤聡士(SUPPIE)

「森が家や駐車場に変わっていく。誰も虫のことを気にしないのが自分には衝撃的だった」

Q.どうしてweMORIに参加したんですか?

「端的に言うと、イアンがアイデアを思いついた時に僕は近くにいたんです。」

笑いながら、weMORIに参加した理由をそう話すのは、伊藤聡志、別名SUPPIE(スッピーと読む)。

彼はweMORIのアイデアがまだ苗木にすらなっていなかったころから一緒に活動をしている、正真正銘「最初の協力者」です。

小学生の頃に近所の草むらが家や駐車場に変わってしまい、大好きな虫たちがいなくなっていた様に衝撃を受けたSUPPIEは環境問題に興味を持ち始めました。小学校を卒業する頃には環境問題を解決することを夢みるようになっていたと言います。

その後、成長したSUPPIEは東京大学大学院で環境学修士号をとったのですが、あえて研究職には進まずに一般企業にてファーストキャリアを始めます。

環境問題を解決に向かわせるためのビジネスを模索するためにサラリーマンの道を選んだのだそうです。

2018年、SpiralClubのメンバーとなり当初はサラリーマンとの二足のわらじで環境活動をしていたSUPPIEですが、2020年に長年考えていた環境活動に集中したいという想いを形にするために脱サラし、今はweMORIと自然電力株式会社で働いています。

Q.あなたにとってweMORIとは?

「ただのアプリではなく、世界中の森林を守るmovementをweMORIと呼んでいます。

短くても何百年もかけて生態系を作っている熱帯雨林が伐採されていって、その中にはまだ未知の生物がたくさんいると思うんですよ。彼らが死んでいくというのが悲しい。

まずは外国の生物多様性ホットスポットと呼ばれる森を守る活動に集中しますが、自分は日本の森も守っていきたい。白神山地や小笠原といった原生林とか、そういった森が伐採の危機にあったらすぐに助けにいきます。」

「weMORIなら自分の夢を叶えられる、と思ったんです。小さい頃から森を守りたかったから。これが海に関するプロジェクトだったらやってないかも、いやわからないな笑。」

幼き頃からの自分の夢、そして仲間であるイアンのアイデアに可能性を感じてweMORIへの参加を決めたSUPPIEは、weMORIの活動を広げるために企業などへのアプローチを、またクラウドファンディングでは著名人やインフルエンサーへの声がけを担当しています。

より詳しくSUPPIEについて知りたい人はこちらの記事をお読みください。
Spiral Club:伊藤聡士、熱い思いを語る。

②:グラフィックデザイナー平山みな美さ

「持続可能型を超えて、再生型社会を目指している点が単純に良いなって思った。」

Q.どうしてweMORIに参加したんですか?

「私は自分が生きていることで、地球にダメージを与えることにずっと悩んでたんです。」

と語るのは、グラフィックデザイナーの平山みな美さん。weMORIのインスタグラムの運用を担当しています。

特に高校生の時に、すごく落ち込んだ時があって、好きな自然を守れないなら生きている意味がないと、自分の生きている意味を肯定できない日々があったのだといいます。

そんな中で、みな美さんの転機の一つとなったのがデザイナーとしてのスキルが身についてきた頃に参加した気候変動パレード。インスタ上にパレードに使えるポスターなどをアップしたところ、多くの人が使ってくれたそうです。

「デザイナーのスキルで今まで生きてきて与えた環境へのダメージの罪滅ぼしじゃないけど、そのダメージと同じくらい、いやそれ以上に環境に良いことをしたい。」

そう思ったみな美さんは、フリーランスのデザイナーとして積極的に環境系の仕事を引き受けています。

清水イアンとの出会いは、その気候変動パレードでのこと。環境関連でのデザイン系の仕事を受けるなら、そういう活動をしている人の近くにいるのが一番と思い、イアンに声をかけたのが始まり。アプリを使って木を植えるという点、そして今の地球環境は劣化が進みすぎているから再生が必要だというアイデアに共感したのが、weMORIに参加したきっかけだといいます。

Q.あなたにとってWEMORIとは?

「weMORIは「木を植林するアプリ」。でも、それだけではないです。

気候危機を止めるために森林保全はマストで、weMORIは美しい地球が将来に残る可能性を私に感じさせてくれます。待機中の温室効果ガスを減らすには、森林を植えるしかないと思うから、weMORIというムーブメントが大事なんです。

それに、環境活動だからって説教くさくはしたくないんです。デザイナーとしてインスタで面白く発信していきたい。インスタってコミュニテイーを作りやすいと思うんですよね。」

「自分が子供のころ遊んでいた雑木林が好き。今の森にも雑木林のようなダイバーシティを取り戻したい。」

自分の生きている意味を肯定できない日々を乗り越えて、デザインの力で森林の再生に取り組む南さん

より詳しくみな美さんについて知りたい人はこれらをチェック
個人のサイト:https://minamihirayama.com/
インスタグラム:https://www.instagram.com/minami_hirayama/

③:My Planet My Planet 荒井ジョアンナさん

「イアンほど環境にコミットしている人に会ったことがなかった。」

Q.どうしてweMORIに参加したんですか?

「イアンと最初に対話した時に、地球環境に対する彼の情熱に魅了されたのが大きな理由です。イアンほど生活の全てをかけて環境にコミットしている人に出会ったことがなかったんです。」

と語ってくれたのは、weMORIでライティングとイベントオーガナイズを担当するジョアンナさんです。

FacebookでweMORIのvolunteer募集のポストを見たジョアンナさんは、アプリを使っての植林がどんな風に行われるのか興味を持って連絡しました。イアンの地球環境への想いへの共感とともに、weMORIプロジェクトの可能性を感じて参加を決めたといいます。

「weMORIのアイデアは「地球への敬意と愛を広げていく」という私の人生のミッションともぴったりマッチしました。」

Q.あなたにとってweMORIとは?

「一人一人の情熱につき動かされているコミュニティーです。

地球再生へのミッションは大きな問題で、自分には何ができるんだろうと圧倒されてしまうことがあるかと思うのですが、weMORIはたくさんあるうちのアクションのうちの一つです。 指先ひとつで森を再生する協力ができるというアプローチがとても簡単ですよね。

また、weMORIは教育の側面もあります。 人は自然とのつながりを取り戻すべきだと思っていて、地球環境は私たちの暮らしを支えてくてれいるはずなのに、今私たちは自分たちが地球上で一番偉いな生き物だとふんぞり返り、それをないがしろにしています。

CO2を減らすことも大切ですが、今後どのように地球との調和の中で暮らしていくのかも考えたいポイントです。」

「温室効果ガスが議論の中心なのか嫌ですよね。人間が一番重要な生き物だと言っているような気がします。」

イアンの情熱に動かされたと語るジョアンナさんですが、彼女自身からも地球環境への情熱はエネルギーはとめどなく溢れでていました。

より詳しくジョアンナさんについて知りたい人はこれらをチェック
ジョアンナさんが運営するサイト:My Planet My Planet

④:インプロビジュアルアーティスト根津 理恵子

「指先で植林に繋がっていく手軽さが人の生活の中にどうやって溶け込んでいくのか気になった」


Q.どうしてweMORIに参加したんですか?

「1か月前くらいにイアンから助けが求められて、イアンやSUPPIEといったSpiral Clubの仲間がやっていることに興味があったから参加した。」

そう答えてくれたのは、Spiral Clubのメンバーでもある根津ちゃん。weMORIのアイデアである、指先で植林に繋がっていく手軽さが人の生活の中にどうやって溶け込んでいくのか気になりクラウドファンディング中のイベント担当として参加したという。

「ぜんぜん違うビジョンを見てる人だったら協力しなかった。思い描く先が違ったら手伝っていなくて、イアンの見ている未来には共感できる部分が多くて。」

と、彼女もまたイアンの描く未来に共感したのがweMORI参加の決め手でした。

ただ、それと同時に根津ちゃん自身も真剣になれるプロジェクトを探していたタイミングであったのも理由であろう。

「コロナがあって自分の生活を見直してみて、生活はゆっくりになり、畑にも通っていたし、生活を作っている感覚が合って心が満たされていたのを感じた。

でも反面、外の世界に向かうエネルギーがなくなって、自分の生活以外の出来事に関心が薄くなったのも感じていたの。 ふとSNSで政治とか社会の動きを見て、放っておいちゃいけない!何かしなきゃ!という自分への苛立ちから、自分の世界から外へ向かい直すエネルギーが湧いてきた。」

Q.あなたにとってweMORIとは?

「普段の生活を森を作ることにつなげる、普段の生活を再生と循環に繋げるアプリ。

今は自分の生活が及ぼしている影響が見えづらくなっていると思う。weMORIは自分の行動の良いインパクトが見えて、地球の一部であることを感じられるようなツールです。寄付したお金がどのように使われるのか、どれだけ木が植えられたのか見えるweMORIの透明性もとても好き。

でも、アプリで寄付しているだけでは、地球とのつながり、自分の行動の影響を腹落ちして感じることはできないだろうなと思うから、weMORIのコミュニティーという側面はとても大切だと思う。

weMORIを通じての寄付活動が、実際に植林してみたり、畑に行ってトマトをもいで食べてみたり、そういう地球とのつながりを感じるきっかけになればよいと思う。」

正直言ってアプリの内容をすべて説明しろと言われても私には難しいし、その内容は最初に聞いた時とは姿を変えていっていると思う。でもそれは良いことで、変化はおもしろいと思う。

アプリを使ってくれる人と夢を共有して相互的にやっていきたいと語る根津ちゃん。彼女が計画するイベントではweMORIの目指す夢を共有する場所にする予定で、アクティビストや識者と話して、現在から100年後、さらにその先の世界を想像し、豊かな生活のともなう再生型社会について思いを巡らすイベントにしたいそうだ。森も生活を豊かにしてくれるものだから。文化も社会もより良くしようという変化の上に築かれるから。

より詳しく根津ちゃんについて知りたい人はこれらをチェック
Spiral Club:ねづはどこから来たのか

weMORIの「最初の協力者」たちから学ぶ、誰かの熱烈な協力を得たい時に気を付ける3つのポイント

4人のインタビューを聞いて、彼らが協力する時の決め手としたものをまとめてみました。

  • 情熱とビジョン
  • アイデアと将来性
  • タイミング

<情熱とビジョン>

4人とも清水イアンの地球環境に対する情熱と、weMORIを通じて実現したい世界に共感しています。

自分の活動の協力者を得たい時には、同じような未来を描いている人にあなたの情熱を語り続けてみましょう!きっとその人たちは、あなたの熱烈なファンになるか、あなたのことが嫌いになるでしょう。そのリスクを取る覚悟がないような活動なら辞めてしまいましょう。

<アイデアと将来性>

「最初の協力者たち」はweMORIの指先で地球環境を良くすることができる点や、保全活動ではなく再生活動である点に魅力を感じていました。「アッ」と驚く意外性と将来への可能性を感じさせるアイデアを考えてみましょう。

誰もが考えつくような退屈なアイデアで、まさか誰かの協力を得られるなんて夢にも思わないでください。

<タイミング>

意外と見落としがちなのがこのタイミングじゃないでしょうか。人それぞれ都合があるもので、ベストなタイミングで声をかけることができれば、あなたのアイデアの協力者になってくれる可能性はグッと高まります。

狙っている人がいるのであれば、虎視眈々とタイミングが訪れるのを待ってみましょう。

おわりに

withコロナの社会を迎え、今まで以上に意味のあることへ取り組みたいと考える人が増えてきました。

世の中を変えるようなムーブメントを起こしたい時に、自分のことや取り組むプロジェクトのことばかりに集中してしまいがちですが、ムーブメントを大きくするのには「最初の協力者たち」を集めることが実は一番重要だったりします。

ぜひこのインタビューを参考にして、あなたのムーブメントの「最初の協力者」たちを探してみてください。

weMORIには、250を超える協力者たちがすでに集まり、今まさに大きなムーブメントを起こそうとしています。

そのムーブメントに乗り遅れて外で指を加えながら、踊っている人たちを眺める人になりたくなければ、下記のクラウドファンディングサイトから支援をしてみてはいかがでしょうか?

谷川さんの詩だとか、世界中のアーティストのポスターなどがリターンとしてもらえるようですよ!

weMORIのクラウドファンディング(2020年8月8日 (土)締):https://www.kickstarter.com/projects/1065560538/wemori-an-app-to-regenerate-the-earth-0

田村 聡

田村 聡

1992年生まれ、東京都羽村市出身。
オーストラリアで環境学を学んだ後、ネット広告代理店にて勤務。
目標とするものは、千の手を持つお地蔵さん。穏やかで優しく、多くを救える人になりたい。もっと詳しく

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