自然って、いくら?

天然資源に値段をつけて利益を得る資本主義。でも天然資源って本当にそんなに安い?

2019.04.29 リサ

リサ

いま世界中で想像を超える程でっっっっかいパワーを持っているのが「資本主義」って考え方に支えられた経済のシステム。聞いたことあるけど何だかよく分かんない人にも、私なんかよりもっと詳しく知ってる人にも、このパワフルなシステムが世界の、それと日本の環境にどうやって影響してるかを知ってほしい。

「そんな大それたシステムの話なんて自分の毎日の暮らしとは関係ない」と思うかもしれないけど、実はそのインパクトは生活のあちこちに隠れてる。

24時間365日営業のコンビニ、

今日ネットで注文したものが明日うちに届くWebサービスもそう。

資本主義はそんな私たちの暮らしの「便利さ」の裏側に潜んでる

でも、そもそも「資本主義」ってなんだろう?

世界中の様々な産地で採れた、様々な形・色・味をしたトマトが並ぶ。近くのお店で、色んなものが手に入るのは便利だけど、それも資本主義の影響。

シホンシュギ?

でも「資本主義」って一体?

この考えを基礎とした社会では、社会じゃなくて個人が経済財(お金)をつくる為に色んな資源を私有することで成り立ってる。例えば、椅子は木(資源)とその加工をする人(労働力)を投下することによって出来上がる。資本主義社会では、こうした木や人は個人の持ち物であって、作った椅子を売ることで得たお金もまた「個人のもの」。

だから、その個人が木や人、そしてそれで得たお金をどうしようが、基本的には個人の自由。多くは、さらに木を買って、人を雇って、さらに椅子を作って、さらに多くのお金を得る。

そしてまた、さらに木を買って…

これはどういうことかっていうと、資本主義経済は、こんな風に地球上の様々な資源から利益を得て、ぐるぐる回ってる。そして、それは無限ループのように回り続け、どんどん個人にも世界にもお金をもたらしていく。さっき使った例だと、椅子を売って得たお金を使って、もっと木を買ってもっと人を雇って(時には機械を買って)もっとお金を得るのが最終目的。

でもちょっと待った!!!!

そのお金の元になっている木とかの資源は有限なもの。無限ループのように肥大しながら回り続けるのはいいけど、木は切りすぎればいつかそのうち無くなる。

個人の利益の為に勝手に値段をつけて売ってるなら、そのせいで有限で貴重な自然がなくなっちゃうのは、自己中だしおかしくない?

私たちが日々買ってる有形なものは、元を辿れば全部、自然からきてる。けどその自然を「資源」として活用し、生み出した利益のほとんどはそれを売ってる人や会社のものになってる。自然はただ個人の利益のために乱用されて、死んでいくだけ?

ここから言えるのは、資本主義の仕組みは持続不可、つまりサステイナブルじゃないってこと。

でも、周りの環境が死んでいくなら、なんの為の経済成長なんだろう?

お金があったって、自然が無ければ私たち人間は生きてけない。

私もあなたも、最低限の衣・食・住があるなら生きる為に必要なものは全部揃ってるはず。

なのになんで私たちはこんなに物を買うんだろう?

大学のキャンパスで、引越しの後に残されたものたち。テーブルもベッドもまだ使えそうなのに、寮を出ると共に捨てちゃうのはもったいない!

資本主義カルト?

資本主義は、最初に伝えたように、私たちの日々の生活の様々なところに潜んでる。外にいてもインターネット上でも、家にいても。あちこちでみる広告とか、流行に乗らなきゃいけない風潮とか、「特に欲しくないけどセールだから買っちゃおう」って考えとか、そんな日常でよくある光景だけど、私たちはそういう広告とか風潮に物を買わされてる。

間接的ではあるけど、私たちは大きな会社とかに、より多くのものを買って消費するように洗脳されてるのかもしれない。だって資本主義は、どんどん多くのものを生み出すけど、それは買ってもらわないとお金にはならないから。

あと、資本主義経済の元では生産の過程をより効率的にする為に分業する。そうすると、人間とものの生産が遠のいて、マルクスも言ったように、人間は「生産」や「労働」から疎外される。さらに、自然から隔離された都会に住んでると、普段食べてるものや使ってるものがどこから来て、どういう風に作られてるのか分かんなくなるし、結果としてその「生産」が環境へ及ぼす影響も考えなくなる。

最初に挙げたコンビニやWebサービスの例でもそう。ネットで買う商品は、いつ・どこで・どうやって生産されたのか全然分からない。自分で育てたり作ったりしなきゃものが手に入らなかった時代に比べると、資本主義のせいで人とものとの関係が薄れていってる。

石油

資本主義経済が理論的にサステイナブルじゃないっていうのははっきりした。そして、実際にあちこちで起こってる環境問題の根本的な原因も資本主義だったりする。それをよく表しているのが、現在様々な製品に使われている「石油」という資源の利用。

今ある石油は全て、約3億6千万年前から3億年前の、石炭紀につくられたもの。

この人間よりも恐竜よりも歴史のある石油が、現代の石油産業で使われだしたのは1859年。アメリカのペンシルバニアで電気の為に使いだしたのがはじめ。その後から出光とかシェルとか石油会社が出来て、ガソリンとして車や飛行機の燃料としても使われ始めた。

それから石油は、安定的なエネルギー源として、またどんな形にも成形できる便利なプラスチック素材の原材料として、瞬く間に世界中に普及し、安価で取引され、そして私たちの生活の中に様々な形で存在している。

でも石油は「枯渇性資源」って言われる、自然なプロセスでは再生できないタイプの天然資源。これはどういう意味かっていうと、使えば使う程無くなっていくだけで、使い切ってしまったらそれで最後ってこと。

そんな石油の消費は今、プラスチックの原材料として様々な環境問題を引き起こしたり、CO2を発生させて気候変動の原因の一つにもなって、世界中の人々、自然環境、生物に悪影響を与えてる。

油流出のせいで死んでしまった魚。
出典: https://news.nationalgeographic.com/news/2010/06/photogalleries/100608-gulf-oil-spill-environment-birds-animals-pictures/#/21355.jpg

ここでやっぱり私がサステナブルじゃないと思うのは、石油っていう有限な資源を一部の人が独占して、それに勝手な値段をつけて売って、想像もつかないほど大きな利益を独占しているということ。石油会社が石油を供給し続けることは、気候変動とか酸性雨とかの石油消費によって生じる環境問題を無視してることと同じだと思うし、地球に残る石油の量はどんどん減少していく一方だから、それに支えられた生活を続けることはサステナブルじゃない。それなのに、出来るだけ多くの消費者を集めようと、有限で環境負荷の大きい石油をいまだに極力安くで売ろうとしてる。

確かに、1Lのガソリンは200円以下で買えるかもしれない。でもその200円の背景にある環境が受けるダメージに対するコストは考慮されてない。

解決策は?

とりあえず資本主義がサステナブルじゃないのは分かったけど、じゃあどうすればいいの?って聞かれたら私にも分からない。共産主義とか社会主義とかの他の制度にもそれぞれ欠点はあるし、もしかしたらお金なんて無い方がいいのかもしれない。私は経済の専門家でもないから、率直に言うと右も左も全然わからない。

小さい解決策なら、野菜とかを買わずに自分の庭で栽培してみるとか、規模の小さいローカルな店で買い物をするとか、Spiral Clubで記事を書くとか(!!)できる。でも最初に記したように、資本主義は世界でとてつもないパワーを持ってるから、個人のささいな活動で大きな社会の変化を生み出すことは難しい。

これはあくまで個人の意見だけど、資本主義がこんなにもパワフルな時代に環境を守るなら、資本主義でも、今まであったシステムでも無い、新しいシステムを生み出す為の革命が必要だと思う。革命ぐらい大きなことが無いと、大きく社会が変わるのは難しいと思うから。

だとしたら、残された問題は「革命ってどうやって起こすんだろう?」

参考文献
https://www.nationalgeographic.org/encyclopedia/non-renewable-energy/

リサ

リサ

1998年神奈川生まれ。公園と海を心から愛する。現在はオランダの大学でリベラルアーツを専攻、自然と人間がどう共存しているのか・できるのかを、地理、哲学、サステイナビリティーの観点から勉強中。大学では情報を受けてばっかり!たまには自分から表現・発信したい!と思いSpiral Clubに参加する。もっと詳しく

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