隙間の地球

アーバンパーマカルチャーを東京で。まずは植木鉢を見つけるところから?

2019.01.31 松岡 美緒

松岡 美緒

都会は
ただいつも 
人込みに疲れるっていうことでも
どこもかしこも 
騒音に覆われているっていうわけでもない

住んでみたら
プラスチック包装しないお店も
無農薬農家を応援しているレストランも
地球にやさしい銀行について教えてくれる組織も
シリアの子どもたちをサポートするコミュニティも
見つけた

でも

もし、

マルハナバチが飛び交う ラベンダー畑
採れたズッキーニと寝っ転がって 
夕飯の献立を思いつく
サラダに入れる ビオラを摘む帰り道があったなら
どんなに素敵だろう
そんな美しい物語が都会にあったなら

たとえば、

木イチゴを口に放り込みながら
シナモンの香りがするお花畑*に寄り道
金木犀をそっと集め ジャムを作って
朝ごはんを楽しみに眠りにつけたなら

ある日、

自分で刈ったお米
近所の人が捕ってきた 脂ののったイノシシ
森に生えていたキクラゲ
お庭のハーブ 金柑に
いただきますと言えたなら

どんなに素敵だろう
そんな美しい物語の中に住むことができたなら

物語の始まりは
小さな抜け穴を見つけるところから

コンクリートの隙間に地球を見つけたら
物語の種をみんなで植えよう

夏のサラダにコリアンダーの花をちらして

洗剤をなるべく流さないように、電気を無駄にしないように、そんな風に生活してみたけど、地球のために何かできたか実感するのが難しいと感じたことはありますか?

私はそう感じていたまさにその一人。
でもある日、パーマカルチャー*の手法を取り入れた農園で堆肥作りをしながら、地球が喜んでいる姿をこの目で見て、地球とより繋がれる方法を見つけてしまったんです。

農園で働くことで一番ウキウキするのは、収穫したものでご飯をいただくこと。こんな楽しいことから始めれば、地球をもっと身近に感じることができるのではないでしょうか?

収穫を楽しむために必要なものは、Edible garden(食べられる菜園)を1つ持つことだと信じています。でもこれを実現するために、農園を借りたりする必要はありません。

もらった麻袋に野菜を植えてみたら乾いたバルコニーが菜園に。

この連載では、
森から帰ってきて渋谷に住む私が、都市の隠れた資源を利用して、食卓を彩る食べられる菜園を作るプロセスを紹介していきたいと思います。

なぜ都市の隠れた資源にこだわるのかというと、、、
森に住んで以来、物を買って、何かを作るというプロセスに面白さを感じなくなってしまったんです。
森の生活では、古民家に置いていかれた食器を使ったり、自生するしいたけを取ったり、近所の人から鹿の肉をもらったりしていました。本当はこの生活が恋しいのだけれど、都会のアルタナティブな暮らしを探してみたら、東京の道端に溢れる資源に出会ってしまいました。

今回は、家で使える食材を収穫するための、菜園の土台となる植木鉢を見つける方法について紹介します。

用意するもの

  • 街中で利用できそうなものを見極める素敵な眼
  • 身の回りにあるもので作る心意気

手順1
隙間にある地球を探す。たとえば、使われていないプランター、手入れされていない歩道の植えこみ、誰かからもらった麻の袋。菜園(ガーデン)になり得る場所は、都会にだって無限に落っこちている。

実際に探しに行ってみた。何かに使えそうだが、鉢として使えるかは疑問が残るもの。

手順2 もし誰かが長いこと使っていない物や、もともと捨てる予定の物を見つけたら、使ってもいいか聞いてみよう。

私は探しているうちに、引っ越しで大量の食器を廃棄しようとしている人たちに会った。声をかけると桐の箱に新品の入った急須と湯呑を分けてくれた。 丁度スパイラルクラブのローンチイベントでコップが必要だったため、有難くいただいた。 だんだん目が慣れ、一見するとよくある茂みの正体がローズマリーであることに気が付いたりする。

代々木の居酒屋の裏に忘れられていたワインの木箱を見つけて以来、お店の前を行ったり来たり。勇気を出して「あの木箱もらってもいいですか?」と聞いてみたら、あっさりOKが出た。帰りにコミュニティガーデンの土を分けてもらって、ついでに野菜もいただく。

正直言ってこの木箱をもらう時はかなりためらったが、大収穫の気分はかなり清々しい。

手順3、
プランターになり得そうなものを持って帰ってきたら、入れ物の底に水が流れる穴があるかを探し、ない場合は開けてみよう。木箱や麻袋は水はけを心配しなくてもよい。

ヨルザキアラセイトウ(紫)とポピー(赤)

いかがだったでしょうか?
今日から、いつも歩く風景が違って見えるかもしれません。

自分で何かを作り出すことは、ルールがないから余計に簡単。

朝から晩まで楽しめるedible gardenをキッチンのすぐそばに忍ばせてみて。

次回以降は、土づくり、種探しと続きます。
皆さんも何気ない場所で、丁度良い鉢に出会えますように。

*シナモンの香りの花
ヨルザキアラセイトウ(Night-scented Stock)。昼間はぐったり元気がないが、夕方になると急にピンと立ち直って、パンプキンパイのような匂いを分けてくれる。

*パーマカルチャーとは、
パーマネント(永続性)と農業(アグリカルチャー)、そして文化(カルチャー)を組み合わせた言葉。人と自然が共に豊かになるような関係を築いていくためのデザイン手法。Permaculture Center Japanより
松岡 美緒

松岡 美緒

国際開発を学び、平和構築を目指したパキスタンのNGOに従事。世界中の農村に滞在するうちに、食や自然と繋がる教育に出会う。現在、ガーデン・ティーチャーとして、学校菜園(Edible Schoolyard)や都会の循環型菜園(Urban permaculture)を実践中。もっと詳しく

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