
自然からのお便り −日本の気候の話−
【二十四節気:白露と秋分】本格的な秋の訪れ

根津 理恵子
どの季節が好き?
私が好きなのは
冷たく澄んだ空気に鼻先がつんとする頃
ふきのとうを探す頃
緑がいっせいに芽吹く頃
雨の前にカエルが合唱する頃
霜柱をさくさく踏む頃
それと、太陽が気持ちいい季節は全部好き
一言に四季と呼んでも、その中にいろんな変化がある。
そんな豊かな自然の移り変わりや風習を表した暦、二十四節気 七十二候。
ざっくり言うと、一年を24分割したのが二十四節気。
さらにそれぞれの節気を初候、次候、末候の3つに細分したのが七十二候。
平安時代に中国から伝来し、江戸時代と明治時代に改正を重ねて、日本の風土に合った季節の美しさを表す暦となりました。
今回は9月の二十四節気 白露、秋分と、 七十二候をご紹介。
あっという間に夏も過ぎて、朝夕の風に秋を感じる。
白露(はくろ)
空が高くなり、朝には草に露が降りる。
9月13日は中秋の名月。ススキと団子を供えてお月見しよう。

朝晩は秋の気配に包まれる
草のかげで鳴く虫の声も涼しい
秋の七草って知ってる?
春の七草と違って鑑賞して楽しむ七種の草花のこと。
万葉集の山上憶良の歌に登場する、萩、尾花、葛、撫子、女郎花、藤袴、桔梗の七つです。
日本のほぼ全土に生息している草花なので、ぜひ探してみてね。
秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花
萩の花 尾花葛花 なでしこが花 をみなへし また藤袴 朝顔が花
山上憶良

チチンチチンと鳴きながら揺れる尾がかわいい
最近は一年を通して都会で生活しているハクセキレイですが、昔は繁殖のために夏の間は北の地で過ごしていました。そんな彼らが本州に戻ってくるのがこの時期。
街中をトコトコ歩いているセキレイは人間が落とした食べこぼしを探しているんだって。
日本書紀にも登場する鳥です。

冬を越えるため静かに南へ旅立ちます
ツバメが軒下に巣を作ると縁起が良いと言われています。
人が多い場所は彼らの天敵が少なくなるので巣作りに最適。そして田んぼの害虫を食べてくれるツバメは農家にとっては大切な存在。
これからも良い関係を守って生きていきたいね。
秋分(しゅうぶん)
昼と夜の長さがほぼ同じになる日。
秋の彼岸の中日。前後3日間がお彼岸です。

秋の訪れを知らせる長雨の季節
夏の季語である雷が勢力を弱めるこの頃から秋雨前線が現れます。
鰯雲やうろこ雲が広がり、空も高くなる。
暑さ寒さも彼岸まで。季節の移り変わりを感じやすい時期。

春が来るまで暖かい土の中でゆっくり過ごす
この蟄虫には昆虫だけでなく、カエル、蛇やトカゲなどの爬虫類も含まれます。
ツバメは南へ発ち、虫たちは土の中へ。自然界が少しずつ静かになっていきます。

垂れた稲穂が涼しい風の中でさわさわと揺れる
稲の収穫に向けて、水を抜き田んぼを乾かす。
刈り取った後の稲の切り株を踏んだ時のザクザクした感触が好きだった。
夏の間、稲を見守ってきたカカシも役目を果たして満足気。
どの季節が好き?
近所で花が咲いたり
あの子が衣替えしたり
カレーを食べたくなったり
風邪を引いたり
あの海を思い出したり
日常の中にもあなただけが気付く季節の合図がある。
合図を見つけたら、あなただけの七十二候を書き留めよう。
毎月末に翌月の二十四節気 七十二候を紹介します。
次回は寒露と霜降。

根津 理恵子
1987年山梨県生まれ、山羊座のA型。数年前、お絵描き教室に通い始めたのをきっかけに自分を見つめ直し、環境や人とのつながりの大切さを知る。持続可能な文化について考えながら、写真館とNPOジュレー・ラダックで働く傍らエコビレッジやトランジションタウンに関わる。関心は持続可能性、芸術、文化、教育、チベット仏教。もっと詳しく


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