今こそ考えたい、辺野古の埋め立て

米軍基地建設のための辺野古の海の埋め立て。あなたは「賛成」「反対」「どちらでもない」?

2019.02.01 Spiral Club

Spiral Club

12月14日、基地建設のための辺野古の海の埋め立てが始まりました。2月24日、辺野古の埋め立ての賛否を問う「県民投票」が行われます。投票が行われるのは沖縄ですが「基地問題」はすべての日本人に関係する問題です。

辺野古の「埋め立て」について考えるきっかけを作るために、Spiral Club では【Henoko Fact】と【Henoko Creature】を 2/17 から 2/24 日までの8日間毎日ひとつ紹介します。イラストとともに、基地に関する基本的な情報と、辺野古に暮らす生き物をわかりやすく紹介します。

この記事は、県民投票が行われる 2/24 まで毎日アップデートされます。あなたは辺野古の埋め立てに「賛成」「反対」それとも「どちらでもない」ですか? Spiral では意見を集めるアンケートを行っています。ぜひあなたの考えを教えてください。

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Let’s Talk About the Base! 一緒に基地について考えましょう。

DAY1(2/17) – “屋久島より生物多様性が多い海が埋め立てられる?”

Henoko Fact その1:大浦湾の生物多様性

沖縄防衛局による調査でわかっているだけでも、辺野古周辺の海には 5,800 種以上の生物が確認されています。(世界自然遺産に登録されている屋久島に生息する生物の種類は約4,600と言われています!)その内には、絶滅危惧種 262種が含まれています。さらにその後の調査によって、ナマコ、ウミウシ、カニなどの様々な【新種】や【未記録種】が発見されています。新基地建設のための埋め立ては、辺野古周辺の生物に悪影響を及ぼすと懸念されています。

Henoko Creature その1:ジュゴン

ジュゴンは「人魚」のモデルになったと言われる草食穂哺乳類です。ジュゴンは体長 3m, 体重 450kg に成長し、70年以上生きます。インド洋や太平洋の浅く、暖かい海に生息し、主に海草を食べています。沖縄の方言では「ザン」や「ジャン」と呼ばれ、沖縄の信仰では理想郷「ニライカナイ」と現実世界を繋ぐ使者として崇められていました。ジュゴンは日本の天然記念物であり、絶滅危惧種です。辺野古周辺は、残り少ないジュゴンの主要生息地です。ジュゴンは辺野古周辺の海の生物多様性を象徴する動物で、辺野古建設反対運動のシンボル的存在です。

DAY 2(2/18)- “なんで沖縄には米軍基地がたくさんあるの?”

Henoko Fact その2:基地集約

日本の国土面積の0.6%に過ぎない沖縄県に、日本の米軍基地の70%以上が集中しています。元から沖縄に米軍基地がたくさんあったわけではありません。日本本土で加熱していた米軍基地反対運動の結果、1950年代に本土では米軍基地の面積が大きく減少しました。同時期に沖縄では、本土からの海兵隊の移駐と、これに伴う海兵隊の新基地建設の結果、米軍基地の面積が激増しました。沖縄には基地が集約しているだけではなく、その背景には日本全国から基地が移設された歴史があります。

Henoko Creature その2:クマノミ

クマノミ(正確にはクマノミ亜科)は映画「ファインディング・ニモ」で一躍有名になった熱帯の海に住むカラフルな魚の種類です。イソギンチャクともっとも高度な共生関係を持つ魚として知られます。驚くことに、クマノミは自由に性転換をすることができます。日本近海には6種のクマノミが確認されていますが、辺野古周辺の海にはその全種類が生息しています。

Day 3(2/19)“辺野古の反対運動は20年間も続いてる?”

Henoko Fact その3:辺野古の反対運動のはじまり

1995年の米軍人による強姦事件により、以前から起こっていた基地反対運動に再び火が着きます。状況の改善を目指し、1996年に「沖縄県の基地負担軽減」を目的にした委員会が設置されます。委員会の最終報告書では、「ある条件」と引き換えに、「世界一危険」とも言われる「普天間飛行場」を5から7年以内に沖縄県に返還することが約束されます。その「ある条件」が「普天間代替施設」を建設することでした。1997年に建設地として辺野古が選ばれ、「辺野古新基地反対運動」が勃発。以来20年間辺野古は「基地問題」の渦中に置かれてきました。

Henoko Creature その3:アオサンゴ

アオサンゴは太平洋とインド洋の暖かい海に分布しています。アオサンゴの見た目は地味な褐色ですが、骨はとっても鮮やかな青で、それが名前の由来になっています。辺野古に隣接する大浦湾には、長さ約 50m, 幅約 30m の巨大なアオサンゴ群集があります。このアオサンゴは、たった一つの小さな「ポリプ」からここまで育ったことがわかっています。日本自然保護協会はこの「世界的にも貴重で普遍的な価値」を持つアオサンゴ群集の天然記念物指定を求めています。

DAY 4(2/20)“あなたは 2.5 兆円あったら何に使う?”

Henoko Fact その4:軟弱地盤と建設費用

2014年から2016年まで実施した地盤調査で、埋め立て予定地の一部が砂や粘土でできおり、想定とは大きく異なる軟弱地盤であることを確認していたにも関わらず、政府は情報を公にせず辺野古の埋め立てを強行していたことが最近の調べで明らかになりました。建設を進める上で地盤の改良は必須であり、現時点で基地が完成するまで10年以上かかると見込まれています。県の試算では、軟弱地盤の改良費などを含めると、移設工事費は防衛省の当初計画の約10倍、2・5兆円にのぼるとしています。

Henoko Creature その4:ニシヒラトゲコブシ

ニシヒラトゲコブシは、タイやインドネシアで見つかっている、細長い腕を持った甲長約 1.5cm の小さなカニです。日本では今のところ、辺野古の基地建設で一部埋め立てられる「大浦湾」でのみ発見されています。ニシヒラトゲコブシはまだ日本語の名前がつけられていなかったこのカニの「和名」に当たります。名前にある「ニシヒラ」は、発見した科学者が所属するダイビングショップの代表で、大浦湾の海を潜り続けてきた西平伸さんが由来になっています。

DAY 5 (2/21) “辺野古の海の生物高さの秘密って?”

Henoko Fact その5:様々な微環境

辺野古周辺の海である大浦湾は多様な環境が存在します。多様な環境とは、沖縄島で最も多くの種の魚が遡上する川、そしてその河口に青々と茂るマングローブ林、小さな生き物の住処となる砂浜や岩場、栄養満点の泥の干潟、カラフルに彩られた海の熱帯林サンゴ礁、日本で最後のジュゴンたちが餌場とする海藻藻場、ウミウシなどの新種が発見される海底の砂場 etc…のことを指しています。これら一つ一つの生物に溢れた環境のことを微環境と呼びます。大浦湾は多様な地形に恵まれ豊かな微環境があり、微環境ごとに違った生物がいます。なので生物多様性が高いのです。例として魚類に注目すると、日本の海にいる全種の4分の1(1040種)が確認されています。

Henoko Creature その5:ミミックオクトパス

ミミックオクトパスは名前が示すとおり、様々な「擬態」を行う「タコ」です。サイズは大体 60cm ぐらい。長い腕と体の擬態をうまく使い、体の色と形を変え、15種類の全く違う生き物になりきることができます。真似する生き物は、ウミヘビやミノカサゴなど、どれも毒を持つものばかりです。ミミックオクトパスは 1998年にインドネシアで見つかった比較的新種で、生態について知られていないことがたくさんあります。自然界には他にも擬態をする生き物はいますが、ミミックオクトパスほどたくさんの生物を真似する生き物は今の所確認されていません。擬態をする姿は圧巻です。今回は動画へのリンクも貼りましたので、ぜひご覧ください。

出典:
大浦湾の生き物たち - ダイビングチームすなっくスナフキン

Day 6(2/22)”沖縄県民は基地に反対?”

Henoko Fact その6:沖縄県知事選挙の結果

2009年、政権を獲得した旧民主党・鳩山首相から「最低でも県外」と、普天間基地返還に伴う移設先として“県外”の選択肢が示されました。以来、2010年には「県外移設」を支持する仲井眞候補、また2014年・2018年には「移設反対」を支持する翁長候補・玉城候補が、それぞれ沖縄県知事選挙において過半数以上の得票率で当選しています。一方で、政治が基地問題を引きずることで、「豊かに暮らせる沖縄」をつくる話が進まないことを憂う意見も若い世代から生まれています。

Henoko Creature その5:シンノカンザシ

シンノカンザシは小さなハゼの東部に寄生するエビやカニの仲間です。ですが、この生き物には大きな目もはさみも歩くための足もありません。ハゼから栄養を得て生きる寄生生活に特化したため、必要のない器官は退化して消えています。必ずハゼの東部に寄生しますが、その理由はわかっていません。シンノカンザシは大浦湾で発見され 2013 年に登録された新種で、名前の “シン” は大浦湾で潜り続けてきたてきたダイビングチーム「すなっくスナフキン」のリーダーの名前から取られたものです。

出典:
大浦湾の生き物たち - ダイビングチームすなっくスナフキン

Day 7(2/23)”投票でみんなの本当の気持ちを開示しよう!”

Henoko Factその7:2月24日沖縄県民投票

2018年に元沖縄県都知事の翁長雄志が辺野古の建設を止める手立てとして「埋め立ての承認を撤回」します。しかし、裁判所は「沖縄県民の辺野古反対の民意が十分に示されていない」と判断し、判決で承認の撤回を却下します。2月24日に行われる「辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票」は、沖縄県民が辺野古の埋め立てに賛成か反対かを明確にするために行われます。この県民投票を実現するために若者を中心に結成された「県民投票の会」が 2018年5月より活動してきました。

Henoko Creature その7:マジリモク

マジリモクは海藻であり、小石や貝殻などの海底に根をはります。国内では沖縄から瀬戸内海まで分布している南方系の海藻で、大浦湾以外での最大の高さは1.5メートル程度です。しかし大浦湾では7.4メートルのマジリモクが発見されています。これは世界最大です。サンゴ礁域の暖かい海で人の背丈を超えるような海藻が発見されるのは非常に珍しいことです。実はここまで大きく成長できた要因は明らかになっていません。なぜ大浦湾のマジリモクは大きくなれたのか、他の海域とも比較する研究が進められています。しかしマジリモクの群落が埋め立て区域の中に位置するため、基地移設がされた場合失われることになります。

Day 8(2/24)“埋め立て「反対」の民意が示された!”

Henoko Fact その8:反対に43万票

2月24日、沖縄で辺野古の埋め立ての賛否を問う県民投票が行われました。投票の結果「反対」が 約43万、「賛成」が約11万、「どちらでもない」が5万票。県民全体の52%以上にあたる60万人以上が投票しました。「反対」の43万票という数字は、沖縄の選挙の歴史上もっとも多くの得票数となりました。沖縄県民が、辺野古の埋め立てに反対しているという「民意」が明確に示されました。

Henoko Creature その8:アオウミガメ

アオウミガメは絶滅危惧種に指定されていて、ワシントン条約で保護されています。彼らが絶滅の危機に追いやられた原因は、密漁、海洋汚染、漁業網での誤捕獲、海岸の開発、船との衝突など様々です。加えてオーストラリアにある世界で最も大きな産卵場所の1つでは、温暖化の影響でほぼすべての子ガメがメスとなったという現象が報告されています。そんなアオウミガメの産卵が辺野古海岸で確認されています。アオウミガメが安全に繰り返し産卵できる砂浜は、沖縄でも全国でも減っており、貴重な産卵場所だと考えられています。しかし産卵が確認された辺野古海岸は埋め立て予定地です。

沖縄の人々の「意志」を国はどう受け止めるのか?民意が示されても建設を進めるのか?あなたは何を望みますか?

8 DAYS FOR HENOKO はこれで終わりますが、辺野古基地問題の新しい章は今始まったところです。沖縄の基地の問題もまだまだ解決されていません。

Spiral では今後も辺野古の基地建設や基地のことについて考えるキッカケを作っていきたいと思います。

P.S. 辺野古県民投票の会、その他の団体、活動をしてきた方々、沖縄県民のみなさん、遠くから支えた方々、この投稿のために眠る時間を削ったスパイラルメンバーズ、本当にお疲れ様でした!

project by イアン、モエギ、スッピー、イセキ

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