いさおの、自己紹介🦠

まだ見ぬ未来の為、腸内微生物に手紙を書く気候アクティビスト。

2022.09.09 酒井功雄(いさお)

酒井功雄(いさお)

はじめまして!スパイラルクラブのメンバーになりました、いさおです!!

いつもはアメリカのリベラルアーツの大学に通いながら、平和学という学問を学んでいます。元々は気候変動対策を求める社会運動「Fridays For Future」でオーガナイザーをしていました。最近は、微生物や脱植民地主義、エコロジーなどのテーマで色々と妄想しています。

自己紹介なので、僕がどんな道を辿って、今ここにいて、どんなことを考えているか、簡単にお伝えしたいと思います。

生い立ち

2001年に生まれました。「功雄」っていう名前の意味は、「気功をする人」。両親がどちらも中国の瞑想法である気功を習っていて、その教室で出会ったことがきっかけで結婚したから。だから本当は「功夫(カンフー)」と書いてイサオと読みたかったらしいけど、字画が悪くて断念。

そして子どもの頃からの僕のキーワードは「オタク」。知的好奇心が超旺盛だった自分が最初に見つけたのは「鉄道」。そう、鉄ヲタです。保育園の時には路線図を見て駅名を暗記したり、小学校以降は日本全国、台湾まで行って鉄道の写真を撮ってました。

もう一つハマっていたのは、「内閣の閣僚名簿を暗記すること」。当時は民主党政権で、よく内閣改造や首相交代が起きるたびにどの閣僚がどのポストに移ったのか、の動向を自分の中で組み立てるのがとても面白かったです。

とにかく少しでも多くのことを知りたい、コンプリートしたいという衝動に駆られて貪欲に知識を吸収していました。その当時からずっと持っている知的好奇心が今も自分自身を動かしている原動力であることは間違いないです。

小学校から高校まで、都会育ちでアウトドアの遊びをしたり自然に触れることはあまりしてきませんでした。山に入って鉄道の写真を撮ることはあったので、日本の原風景的なものへの憧れはあったけど、自然との関わりは薄かったです。だから山や海の変化から危機感を持っている他のアクティビストの人たちと違い、気候変動の脅威が迫っていることを知る由もありませんでした。

そして地球温暖化とは、ツバルが沈むこととホッキョクグマが大変になること、結局遠いどこかだよねと思っていました。けどそれが一気に変わったのは高校2年生の時。

気候変動に気づいたアメリカ留学

アメリカのミシガン州に留学していた時に、偶然、環境科学の授業を取ることになりました。環境科学はとても面白い学問で、水、土、大気、汚染物質、各分野について学べば学ぶほど、それぞれが深く、複雑に関わり合っていることに気づきました。(水は土と関わって、大気とも。。。って当たり前ではあるけど。)関連性を頭の中で描いて全体像を把握することの難しさに楽しさを見出していました。

その中のテーマ、「気候変動」を学んでいた時に、

「次のうちどれが気候変動を加速させるでしょう?」という質問に出会いました。

その答えは「永久凍土が溶けること」。

実は永久凍土(1年中凍っている土)の中には昔埋まった草木が分解されてできたメタンが溜まっている。永久凍土が溶けるとそれが放出される。メタンはCO2よりも25倍温室効果が強いガスなので、温室効果ガスが増えて気温が上昇する。

ここまで学んでから「あれ?気温上昇したらもっと永久凍土溶けない?」って思いました。

正解。気温上昇を止めない限り、永遠にこのループは続いていきます。これは「フィードバックループ」と呼ばれている。あれ、世界ってもしかしてどんどん悪化していってない?

そこからよくよく調べてみると気候変動は、日本に毎年来る台風を年々深刻化させていると知りました。自分がただの「天災」だと思っていたのは、「人災」だったんだ。これからどんどん悪くなっていったらたまったもんじゃない。

かなり衝撃を受けました。新しい技術が開発され、どんどん良くなっていると思ってた未来がどんどん気候変動によって蝕まれているとは。

気候変動アクティビストになる

日本に帰国してからしばらくしてCOP24でのグレタトゥーンベリのスピーチを聞きました。

「2070年、私には孫がいることでしょう。その時彼らは言うかもしれません。なぜまだ時間があった時に何もしなかったのか」と。

*COP:国連気候変動枠組条約締約国会議の略称。気候変動を止めるために世界各国の政府が枠組みを決める会議のことです。

この言葉を聞いて、自分の妹を思い浮かべました。その当時僕の妹は3歳。15歳離れた妹は、自分よりももっと気候変動の影響を受ける。なのに、問題に気づいて声を上げることすらできない。

自分は今、自分の未来のためにも、妹の未来のためにも、気候危機を知ってしまったものとして声を上げる責任があると思いました。

2019年頭、環境NGOの350 Japanでボランティアを始めた直後に、Fridays For Futureの日本で初めてのアクションに参加しました。参加者よりもメディアの方が多くて、高校生は自分一人しかいなくて、度肝を抜かれたけど、そこでマイクをとってスピーチをして以来、Fridays For Futureのオーガナイザーとしてがむしゃらに活動してきました。

それから気づいたら2年以上、気候変動に対する運動に関わってきました。Fridays For Futureでは、最高の仲間たちのおかげでアクションを進めることが出来たと思っています。

活動を重ねていくうちに、「エネルギー基本計画」という政策が気候変動対策を大きく左右すると知りました。みんなで再生可能エネルギーについて学んだり、エネルギー政策の鍵を握る、経済産業省の審議会を毎月ウォッチし、経産省前に行ってスタンディングをしたりしました。

その中で、日本の政策決定は産業界に偏った人選によって作られている上、若者の意見を聞こうという姿勢が全くないことに衝撃を受けました。

誰をターゲットにしたら気候変動政策を変えられるのかを知るために専門家にヒアリングをした上で、「本気の気候変動対策を求める」署名を立ち上げ、メンバーたちの努力のおかげで4万筆以上を集めて政府に提出しました。

そしてベトナムに日本が石炭火力発電を輸出しようとしているという計画が決まった際には、ベトナム・韓国のユース、そしてグレタにも協力をもらって、三菱商事などの関連企業に対して抗議するメッセージを送りました。

活動してきた中で学んだことは、気候変動は不平等に、特に脆弱な人々に被害をもたらすこと。今までCO2を排出してきたグローバルノースではなく、グローバルサウスと呼ばれる南半球の途上国の国々が海面上昇や干ばつの影響を受けます。そして多くの場合、影響を受けるのは有色人種の人々であり、女性や性的マイノリティであり、若者たちです。

こうした状況を踏まえて、最も影響を受ける人々を中心とした解決策が必要だ、と求めるのが「気候正義」という考え方です。

これに関しては前にハフポストで記事を書いているので読んでもらえると嬉しいです。

▼気候変動で“真っ先に死ぬ“のは誰? 「気候正義」という言葉が日本にも浸透してほしい理由

https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_60c9cf93e4b0e08ef7baf88b

実際に最も影響を受けている人々と共に声をあげ、石炭火力発電などを輸出し気候変動を加速させている日本のことを世界に伝えるために、2021年11月にイギリスで開催されたCOP26に、スパイラルクラブメンバーのりりあんやFFFの仲間と一緒に参加してきました。

その時の記事はこちら。

▼「怒っていい社会にいる」という心地よさ。気候変動アクティビストが感じた日本と世界の温度差

https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_61d294eee4b0bb04a63a8b0b

 

今、自分が興味あること

気候変動に対する運動を続けていく中で、ずっと自分を貫いている問いがあります。

「環境危機はなぜ起きたのか?そしてどんな未来を描くことができるのか?」

日本政府に対してより野心的な気候変動対策を求める、という中で自分が主張してきたのは、再生可能エネルギーの導入や政策決定のあり方といった、具体論や技術論。

しかし大学で学ぶ中で、「人間は自然をコントロールできる」といった人間を自然から切り離して対象化したことが、自然の搾取を文化的に肯定してきたのではないか?ということを知りました。私たちは自然のなかで他の生き物や存在たちに食料や空気などを依存しているにも関わらず、デカルトの「我思うゆえに我あり」という人間中心の世界観を欧米の文化は作り出してきました。

そうした搾取的な自然観が、植民地支配の歴史や近代化の中で世界中に広まる一方で、動物や植物を敬い、対等に扱ってきた人々の自然観は抹消されてきました。

こうした自然を「資源」と捉えてしまう文化のもとに、経済や社会が形成されたことの結果として気候変動が起きているのではないかと思っています。

それを踏まえて、より根深く存在している文化や自然観をどうアップデートすれば気候変動を解決できるのかというポイントを考えています。

日本はもともと「八百万の神」という言葉があるように、全てのものや生命にカミを見出していたアニミズムの文化を持っています。日本に根付く文化から、いかに気候変動の時代に必要な新しい関係性や社会のあり方を考えることができるのか。

それはただ欧米が語る「未来」を輸入するのではなく、土着に根付いた全く異なる未来を作ることを可能にすると思います。

スパイラルクラブに入った理由

もともとは自然や他の生き物、生命、存在たちを尊重したあり方や未来をどうやったら描けるんだろうか、という問いのもと自分で探求をしながら個人で発信をしていました。

2021年の夏頃、そうしてモヤモヤと考えていたことを、スパイラルクラブメンバーのモエギに話したところ「スパイラルで発信したらいいジャーン!」と言ってもらって今に至ります。

スパイラルクラブの人々は結成当初から知っていて、みんなクリエイティブにめちゃくちゃ楽しく環境のこと・社会のことを実践して発信している本当に素敵なコミュニティだなとずっと思っていました。

スパイラルのメンバーと、記事を読んでくれたりイベントに参加してくださる方々とどんな未来を作れたらいいかを話し合いながら、一緒に発信できたら楽しいな、と思っています。

最近、他の生物や生命たちをケアした関係性を築くために、体内の微生物に感謝の手紙を書くという実験(笑)をしてみました。私たち人間中心主義の世界を疑って、他の生き物たちとの関係性を考え直す実験をイベントなどでしてみたいな〜とかも考えています。

最近読んだAmitav Ghoshという人の文章の中でこんな言葉が出てきました。

“Climate crisis is also a crisis of culture, and thus of imagination.” 

「気候危機はカルチャーの危機であり、つまりは想像力の危機だ。」

気候危機を乗り越えられるような、カルチャーや想像力がまだ十分に生まれていない。

だからこそ今以上に、想像力を使ってまだ考えられていない未来を模索する旅を、これを読んでくださっているあなたと一緒にしていけたら嬉しいです。

これからよろしくお願いします!

いさお


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酒井功雄(いさお)

酒井功雄(いさお)

「気候変動を解決した未来はどんな世界なのか?」という問いと好奇心に突き動かされる21歳。
アメリカのリベラルアーツで平和学や植民地主義について学びながら、3年間ほど前から日本で気候変動運動に関わっている。
自然の中にいるわたしたちのあり方、特に微生物との関係性を悶々と興奮しながら考え中。

質問はこちらまでお寄せください スパイラルクラブに寄付する

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